新たな茶文化の創造に向けて
株式会社TeaRoom(以下、TeaRoom)と日本草木研究所(以下、日本草木研究所)が業務連携を発表しました。この協力の目的は、日本が誇る山林資源を最大限に活用し、新たな嗜好品の開発を進めることです。近年の食文化において、国内産の素材を活かす動きが高まる中、両社はその可能性を追求すべく一歩を踏み出しました。
TeaRoomの歴史とビジョン
TeaRoomは2018年に設立され、静岡県本山地域において日本茶の工場を承継しました。技術開発や製品の流通のみならず、農地所有法人としても機能しており、持続可能な日本茶の生産体制を構築しています。2020年には農地所有適格法人・THE CRAFT FARMを設立し、生産者としての役割を強化してきました。
日本草木研究所とのコラボレーションの背景
日本草木研究所は日本の山林資源に埋もれる潜在的な価値を掘り起こすことを目指しています。約70%の国土を占める山林には、豊かな生態系が存在しますが、それに対する認識が薄く、資源が活かされていないのが現状です。この協業により、両社は嗜好品に新たな視点を加えることで、日本独自の食文化の礎を築こうとしています。
小さな一歩、巨大な潜在力
今後の計画として、両社は古くから伝わる日本茶の製法を活かした新たなお茶の開発と、コーヒー、ワインなど他分野のクラフトの知識を活用する予定です。具体的には、日本独自の植物を使った「野草茶」の技術開発や、特有の香りや風味を引き出す技術革新を検討しています。
提供する製品の紹介
草木チャ発酵モクレン紅茶
モクレンの仲間であるタムシバの葉を採取し、紅茶の製法を用いて特別な発酵野草茶に仕上げました。フルーティーさと爽やかさを兼ね備えたこの茶は、有名ではないけれども、香りの良さが最近評価されています。販売サイトは
こちら。
草木チャ発酵黒文字白茶
天然のクロモジの葉を使用し、白茶の製法で微発酵させました。えぐみがまったくない爽やかさが特徴です。市販の黒文字茶では味わえない贅沢な香りを楽しむことができます。詳しくは
こちら。
今後の展望
TeaRoomと日本草木研究所は、長期的に日本の在来種や果実の発掘、加工技術開発を進めることで、日本の山林資源の価値を高める取り組みを強化していきます。そして、環境への配慮や食料自給率の向上に貢献するため、製品化や販売戦略の多様化に向けた様々な選択肢を検討していく予定です。地域との連携を図ることで、地方の活性化にも寄与したいと考えています。
最後に
TeaRoomの代表・岩本涼氏は、「日本に眠る潜在的な価値を掘り起こし、世界に届けていきたい」との意図を掲げており一方、日本草木研究所の代表・古谷知華氏もこの協業の意義を強調しています。両社の信念が実を結び、日本の豊かな山林資源が新たな形で生まれ変わることが期待されます。