「QAQA-BO」とブロックチェーンによる新しい防災実証実験が福岡で始動

福岡県飯塚市での新たな防災実証実験

2024年11月、福岡県飯塚市で始まる実証実験が、ブロックチェーン技術を活用した新しい防災ソリューション『QAQA-BO（カカボ）』に焦点を当てています。この取り組みは日本で初めてのもので、自治体の防災への取り組みを一層進化させると期待されています。

実証実験の背景

福岡県飯塚市は、2021年11月に「ブロックチェーン推進宣言」を行い、新たな産業創出を目指して「Nextトライバレー」を推進しています。今回の実証実験は、その取り組みの一環として位置付けられています。飯塚市は、ブロックチェーン技術を防災に結びつけ、地域の防災意識を高めるモデルケースを創出し、国内外に発信することを目指しています。

ダイナミックな防災コンテンツ『QAQA-BO』

本プロジェクトに関与するのは、株式会社BLOCKSMITH&Co.を中心に、渋谷Web3大学、Turing Japan、かんがえる防災の4社です。特に『QAQA-BO』は、ユーザーが防災に特化したクイズに挑むことができるアプリで、参加することで防災知識を身につけることができます。クイズで獲得したポイントを商品などに交換できる「ポイ活」要素も備えています。

Turing Certsによる避難所認証

実証実験において、Turing Japan社が提供する「Turing Certs」は特に注目です。このデジタル証明書プラットフォームは、改ざんが不可能で迅速に本人確認ができるシステムを構築するために利用されます。市民はQRコードを使って、避難所での本人確認を簡単に行うことができます。このシステムは、プライバシー保護にも配慮されています。

誰も取り残さない防災

防災に対する理解・意識を深めるために、地域性を重視したクイズの提供や、年齢層に関係なく参加できるコンテンツの設計が重要視されています。さらに、高齢者やデジタルに不安を感じる方へのサポートも考慮されており、アナログとデジタルを融合した包摂的なアプローチが試みられています。

期待される成果

この実証実験の目的は、防災意識の浸透を図り、避難所での受付業務の大幅な短縮を実現することです。また、参加者の防災学習を継続的に促進し、最終的には全国への展開を目指します。2026年にはその成果をまとめ、全国に発信する計画もあります。

まとめ

飯塚市で始まるこのブロックチェーンを用いた防災実証実験は、地域のリーダーシップと最新技術を結びつけた先端的な取り組みです。このプロジェクトが成功することで、地方からのイノベーション創出につながることが期待されています。参加する市民一人ひとりの防災意識が高まることで、より安全な地域社会の形成が進むことを願っています。