川端龍子の名作を体感できる展覧会が大田区で開催中

川端龍子の作品を探る展覧会「源流へのまなざし」

東京・大田区に位置する大田区立龍子記念館にて、日本画家・川端龍子の名作展「源流へのまなざしモティーフで見る川端龍子」が開催されています。この展覧会は、彼の作品に焦点を当て、「古典的モティーフ」と「現実にあるモデル」という二つの視点から作品を選定しています。

川端龍子とは？

川端龍子（1885年－1966年）は、明治時代から昭和にかけて活躍した著名な日本画家です。彼の作品は、伝統的な日本画の技法を用いながらも、そのスタイルには独自性が色濃く反映されています。特に、彼が描く仏像や虎の姿は、他の画家に影響を与えるほどの存在感を持っています。

展覧会の見どころ

本展では、川端が描いた二つの重要な作品、《やすらい》（1958）と《虎の間》（1947）を中心に展開されています。《やすらい》では、高野山にある孔雀明王の姿が描かれ、従来の仏画とは異なる独自の視点が表現されています。とはいえ、非常に生き生きとした描写が印象的です。カラフルな色使いや、ダイナミックな構図は、龍子ならではの芸術性を感じさせます。

一方、《虎の間》では、京都・南禅寺の重要文化財である「水呑の虎図」を引用し、自らをその虎と対峙させる姿勢が見受けられます。この作品は、川端自身を「龍」とし、伝統的な「龍虎図」に新たな解釈を与えるものです。こうした作品を通じて、川端龍子の独自の美学が感じられます。

展示詳細

展覧会は令和7年12月6日（土）から令和8年3月8日（日）まで開催されます。開館時間は午前9時から午後4時30分までで、入館は午後4時まで受け付けています。休館日は月曜日ですが、祝日の場合は開館し、その翌日に休館する形になります。入館料は一般200円、中学生以下は100円で、65歳以上や未就学児、障がい者手帳をお持ちの方は無料となる特典もあります。

関連イベントと公園案内

また、関連イベントとしてギャラリートークも開催されます。これは学芸員が出品作を解説するもので、参加には入館料のみが必要です。開催日時は12月21日、1月18日、2月15日、3月8日の各日午後1時から行われます。

さらに、龍子自らが設計した旧宅とアトリエが保存されている龍子公園の案内も行われており、国の登録有形文化財として認識されています。

さまざまなイベントとともに、川端龍子の素晴らしい作品をこの機会にぜひご覧ください。