札幌市の中小企業向けDX補助金の活用事例
札幌市では、独自の取り組みとして、中小企業のデジタル化を支援する「中小企業DX推進補助金」が実施されています。これは、地域の中小企業が抱える経営課題を解決するために、デジタル技術の導入を促進する制度です。その中で、特筆すべき事例が登場しました。
AI活用による革新的システムの導入
今回の主役は、有限会社北海道新聞永田販売所が取り組んだ新聞販売店向けのコールセンターシステムです。このシステムは、補助金を利用して開発されたもので、道内の他の販売店でも利用が開始されています。このプロジェクトは、タッグ企業の株式会社オルタナティブとの協力によって生まれました。
このAIコールセンターの導入による主なメリットは、なんといっても人件費の削減です。具体的には年間約60万円のコストカットが期待されています。これは中小企業にとって大きな助けとなり、リソースをより効率的に活用することが可能になります。
さらに、このシステムは既に札幌市、釧路市、厚岸町をはじめ、静岡県浜松市や栃木県鹿沼市、大田原市を含む合計8社で利用契約が結ばれ、そのうちの3社はすでに運用を開始しています。今後は、全国に広がる新聞販売店の16,000社をターゲットとし、さらにSaaS化を進めていく計画です。
中小企業DX推進補助金の詳細
中小企業DX推進補助金は、さっぽろ連携中枢都市圏に本社を構える中小企業を対象にしています。ただし、IT業界に属する企業は除外されています。これにより、様々な業種の中小企業がデジタル化に取り組むことが可能となります。
補助対象経費は、企業が行うデジタル化の取り組みに伴うもので、札幌市内に本社があるIT企業との間で発生する費用が含まれます。補助額や補助率は以下の通りです:
- - DX枠:補助対象経費の1/2以内、上限500万円
- - デジタライゼーション枠:補助対象経費の1/2以内、上限200万円
- - デジタル化枠:補助対象経費の1/2以内、上限100万円
また、全体の採択件数は1,500万円の予算内で制限されています。
公募とお問い合わせ
現在、令和7年度の中小企業DX推進補助金は公募期間中です。詳細な情報は札幌市エレクトロニクスセンターの公式ホームページで確認することができます。興味のある企業の方はぜひチェックしてみてください。
お問い合わせは、一般財団法人さっぽろ産業振興財団のIT産業振興部まで。電話番号は011-807-6000、またはメールでの問い合わせも受け付けています(
[email protected])。
DX推進の取り組みにより、札幌市の中小企業はさらなる成長が期待されます。デジタル化の流れに乗り遅れず、積極的に活用してほしいと思います。