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循環型経済実現に向けたパナソニックとＪＸ金属の取り組み

パナソニック株式会社のくらしアプライアンス社とＪＸ金属株式会社は、環境に優しい持続可能な社会の実現を目指し、使用済み家電から回収した銅を再資源化するスキームを共同で構築しました。2025年9月から本格的に運用が開始されるこの取り組みは、リサイクル業界の新たなモデルケースとしての役割を果たします。

サーキュラーエコノミーの重要性

近年、日本政府は「循環経済（サーキュラーエコノミー）」を推進しており、製造業や資源循環産業における協働が求められています。この取り組みは、国内資源の回収や再生材の活用を推進し、脱炭素化を図る新たな価値創出に貢献することを目指しています。

家電リサイクルの現状と課題

パナソニックグループは、長年にわたり家電リサイクル法に基づいて使用済み家電の回収・リサイクルに取り組んできました。具体的には、エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の4品目から回収した銅スクラップを製錬業者に売却し、銅製部品の原料である電気銅として再資源化してきました。しかし、再生電気銅が自社製品へどの程度使用されているのかの正確な把握は困難でした。

新たな生産プロセスの導入

そこで、パナソニックは新たに導入されたＪＸ金属の銅製錬プロセスを活用し、銅スクラップから生まれた電気銅を正確に製品に使用するための物量管理の仕組みを確立します。この取り組みによって、使用済み家電から回収された銅を100%リサイクルし、製品として再活用することが可能になります。

また、この電気銅は「スクラップのみを原料」として生産されているため、鉱石の採掘による処理エネルギーや温室効果ガスの排出が大幅に減少します。ＪＸ金属による試算では、電気銅1トンあたり、2～3トンの温室効果ガス削減効果が期待されます。これにより、パナソニックはカーボンフットプリントを大幅に低減した電気銅を安定的に調達し、銅製品の製造に生かすことができるのです。

未来の展望

今後、パナソニックは家電リサイクルを中心に銅の回収体制を強化し、ＪＸ金属はリサイクル技術と管理体制を向上させながら電気銅のリサイクル比率を増加させることを目指します。このような取り組みを通じて、両社は資源循環を共創するパートナーとして、持続可能な社会の構築に寄与していくことでしょう。

このプロジェクトは、製造業が環境に配慮した新しいビジネスモデルを創出することにより、循環経済の実現に一歩近づく重要な試みといえます。環境問題に対する意識が高まる中、使用済み家電からの資源の回収と再利活用が今後の産業において重要な位置を占めることは間違いありません。

[プレスリリース] 使用済み家電からの銅資源循環スキームに関する詳細は、ぜひご覧ください。
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