日本の医療機関におけるBCP対策の実態
株式会社エムネスが実施した調査によると、全国の医療機関における事業継続計画(BCP)対策の整備が不足していることが明らかになりました。この調査は全国の医療関係者443名を対象に行われ、災害時における医療提供の持続性やクラウドシステムの有効性についての意見が集約されています。
調査の背景と目的
近年、地震や豪雨、台風といった自然災害が頻発し、医療機関のBCP対策の整備が急務とされています。今回の調査は、9月1日の「防災の日」に合わせて実施され、医療機関がどの程度BCP対策を進めているか、その実態を調査することを目的としました。
調査結果のサマリー
BCP対策の策定状況
・全体の35.5%がBCP対策を策定済み
・策定予定を含むと約47%が何らかの対策を考慮中
これらの結果から見ると、多くの医療機関がまだBCPの整備に不足していることが浮き彫りになりました。特に、クリニックではBCPを策定していない割合が非常に高いことが分かります。
医療従事者の出勤体制と電力確保
BCP対策において最も不安視されているのは「医療従事者の出勤・体制維持」(53.2%)、次いで「電力の確保」(49.9%)であり、この2つの要素が医療提供の継続性に大きな影響を与えることが明らかになりました。
データ保全策
調査では、火災や水害等の災害時におけるデータ保全策として「院内サーバー利用」が最も多く(52.2%)、次いで「クラウド型システムの導入」が続きました。多くの医療機関が、安全かつ効率的なデータ保全のためにクラウドの導入の必要性を認識しています。
クラウドシステムの必要性
BCP対策において、約8割の医療関係者がクラウド型システムが有効だと評価しており、「通信・ネットワークの冗長性」や「クラウド型の医療情報システム」の導入が今後の強化要点として挙げられました。これにより、従来の院内サーバーに頼らずとも、データアクセスが可能で、業務の持続性を高めることが期待されています。
今後のBCP対策の方向性
調査から得られた情報は、特に小規模の医療機関にBCP対策を整備する上での課題を浮き彫りにしました。エムネスが提供するクラウド型医療情報管理共有システム「LOOKREC」は、これらの課題解決を目指すために開発されました。このシステムは、診療のデジタル化を加速し、効率的なデータ管理を実現することで、医療施設の災害時の対応力を高めることに貢献します。
エムネス社の取り組み
エムネスは、遠隔画像診断支援サービスなど、様々な医療支援サービスを提供しており、医療現場のニーズに対応したソリューションを開発し続けています。1,500以上の医療施設に導入されている「LOOKREC」は、さらなる医療連携の向上を図り、災害時の医療提供体制を強化するための有効な選択肢となるでしょう。
今後もBCP対策の重要性が増す中、医療機関におけるクラウドソリューションの普及が期待されます。