名古屋大学FEM、EVクラスでの成功を祝いながら
名古屋大学の学生フォーミュラチームであるFEM(Formula Electric Model)は、2025年の学生フォーミュラ日本大会において、電気自動車(EV)クラスで見事な成績を収めました。なんと、3年連続の総合優勝を達成し、さらには「最軽量化賞」も受賞。この快挙の背景には、運営チームによる設計と進化した技術が惜しみなく反映されています。
軽量化の追求
FEMの車両は、前年の230kgから219kgへと大幅に軽量化されました。この結果をもたらしたのは、チームが設定した目標「アトラクティブトラクション」に基づいて、システムの安定性と軽量化の両立を考えた設計によるものです。マネジメントと低電圧電装を担当する田中健太郎氏は、このプロセスを振り返る中で、特に低電圧電装においてはシステムの安定性を最優先に考慮したと強調しています。
直面した課題とその解決策
FEMの技術者たちは、冷却システムの強化にともない消費電力が増大するという課題にも直面しました。この問題に対処するため、金田季之氏は「従来のコンバータは重く、熱くなり過ぎていました。特に、600Vから24Vへの変換には小型で効率的な選択肢が求められましたが、Vicor以外には見当たりませんでした」と述べています。
これらの課題を解決するために、FEMはVicorの電源モジュールを採用。最大600Vの高電圧バッテリーから、Vicorの絶縁型バスコンバータBCM4414を用いて中間電圧を生成し、その出力を2つのDC-DCコンバータDCM3623で24Vと12Vに変換。これにより冷却ファンやポンプといった重要な部分に安定した電力を供給することが可能になりました。
技術的メリットと将来の展望
新たな電源システムの導入によって、FEMは数多くの技術的な利点を享受しています。金田氏は、「Vicorモジュールは手のひらに収まるサイズで、車両への搭載を容易にしました。また、複数の電圧を使う中で配線をシンプルに構成できるのは大きな利点でした。軽量な部品の配置によって走行性能も向上しています」と述べます。
ただ、起動時のプリチャージには課題がありましたが、モジュールのシャットダウン機能を利用することで巧妙に解決しました。この成功体験は、チームの若手メンバーにも大きな刺激を与えています。特に新たに参加した瀧下真都氏は「先輩たちの優勝を目にして、早くチームに貢献できるようになりたい」との思いを募らせています。
次年度への展望
来年度には、Vicorモジュールを使用してDC-DCコンバータに低電圧バッテリーの充電システムを統合する計画も進行中です。この試みはさらなる軽量化と回路の簡略化を目指しています。
Vicorについて
Vicor Corporationは、マサチューセッツ州に本社を置く高性能電源モジュールの先駆者です。顧客の技術革新を支えるために、効率と高電力密度を兼ね備えた電源供給ネットワークを構築するソリューションを提供しています。その技術は、ハイパフォーマンスコンピューティングや自動車、航空宇宙など、多岐にわたる分野で応用されており、40年以上の実績を持っています。
名古屋大学FEMの活動
名古屋大学の学生フォーミュラチームFEMは、2003年に設立され、2017年の大会からEV車両での参戦を開始しました。現在では60名以上のメンバーが在籍しており、国内大会での優勝を目指しています。チームの詳しい情報は、公式サイトを参照してください。