アラブ首長国連邦館
2020-03-23 08:00:29
アラブ首長国連邦館が示す新たな建材の未来とは?
アラブ首長国連邦館の「Wetland」が拓く建築の未来
2020年8月29日から11月29日まで開催予定の第17回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展において、アラブ首長国連邦館は「Wetland(ウェットランド)」というテーマで独自の展示を行います。本展では、ドバイを拠点に活動する建築家、ワイル・アル・アワールと寺本健一がキュレーターを務め、アラブ首長国連邦の独特な地質である「サブカ」を利用し、再生可能な資源による代替セメントの可能性を探ります。
展示の主な焦点は、塩鉱物を利用した建築材料の開発です。セメント産業は環境問題に対する大きな責任を抱えていますが、展示を通じて、塩化合物を用いた新しい建材の研究が持つ意義を提案します。この取り組みは、ポルトランドセメントと同等の性能を持ち、環境への負荷を軽減することが期待されています。
環境問題への取り組み
キュレーターのワイル・アル・アワールと寺本健一は、セメントが世界で水に次いで多く使用されている材料であることを指摘し、その生産が温室効果ガス排出に関与していることに警鐘を鳴らしています。彼らは「一般的なポルトランドセメントに代る代替セメントの開発は持続可能な未来に向けた重要なステップである」と強調しています。これにより、サブカの塩化合物が再生可能な建材としての使用にどのように寄与するかを示すことが目指されています。
また、この展示は、デザインや建材の選択がどのように環境持続可能性に影響を与えるかを学び、参加者がその理解を深めることを促す場ともなります。サステイナブルな建築材料の開発は、環境問題の解決に向けた新しい選択肢として位置付けられています。
世界的な建築展での意義
第三者としての視点で、アラブ首長国連邦館は、国際的なプラットフォームとして機能し、世界中の建築家や思想家とのコラボレーションを通じてより広範な対話を生み出すことを目指しています。このような展覧会を通じて、地元の視点から環境問題に関連する国際的な課題を発信する場として重要です。
コーディネーターのライラ・ビンブレックは、「ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展は、アイデアや視点を共有するための場であり、今回は我が国にとって重要な10回目の参加になります」と述べ、 hållbarhet(持続可能性)をテーマに新しいアイデアを模索しています。
今後の展望
アラブ首長国連邦館の展示は、ヴェネツィア・ビエンナーレを通じて建築界のみならず、広い範囲での環境意識を高める契機となるでしょう。多様な国際的視点からのアプローチと地元の独特な文化の融合は、持続可能な社会の構築に向けた新たな道筋を描く上で重要です。ワイル・アル・アワールと寺本健一の横断的なコラボレーションによって、大規模な国際建築展が持つ力を感じられるのではないでしょうか。
アラブ首長国連邦の国立展示館は、サラマ・ビント・ハムダン・アル・ナヒヤン財団にて主催され、文化知識開発省の支援を受けています。展覧会期間中、来場者は新しい建材の可能性に触れ、持続可能な未来のビジョンを体感することができるでしょう。
会社情報
- 会社名
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National Pavilion UAE, FZ-LLC
- 住所
- PO Box 62086, Abu Dhabi, United Arab Emirates
- 電話番号
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