がん患者が薬物治療を続けるために必要なこととは(調査レポート)
はじめに
株式会社メディリードは、がん患者が薬物治療を続ける上で直面する現状や課題について自主調査を行いました。本調査は、632名のがん患者からの回答を基に、彼らの意識や行動について深く掘り下げています。
背景
現代の医療において、がん薬物療法は著しく進歩し、治療法が多様化しています。また、生存率の向上も見込まれています。しかし、患者の中には治療過程での不安や悩みを抱える人が多いのも事実です。一方で、サポート体制は整備されているにも関わらず、一定の患者が治療を継続できない状況も報告されています。
このような状況を受けて、当社はがん患者が薬物治療を継続するための課題や、その背景となる意識の実態を探る調査を実施しました。
調査概要
この調査は、2024年6月17日から21日の期間に、インターネットを通じて全国規模で実施されました。対象は、がん診断を受け、薬物治療を行っているか、過去に経験した患者のうち、ステージ(I~IV)が明示されている人々です。
具体的には、以下の条件を満たす632名からの有効回答を得ました。
- - がんで薬物治療中または薬物治療の経験がある患者
- - がんのステージがⅠからⅣ
調査結果
調査結果から、治療を途中で中止した経験がある患者はおおよそ1割ということがわかり、さらに、治療をやめたいと考えたことがあるものの続けている患者は25%に達しました。
治療中断者と中断意向者の違い
中断者は「必ず良くなる」といった前向きな将来展望を抱いていない傾向があり、特に早期患者ではその傾向が顕著でした(図1参照)。一方でステージⅣの患者においては、治療継続におけるネガティブな要因として、経済的な不安が強く影響しています。
制度の認知と利用
また、薬物治療を中断した患者について、費用負担の軽減策に関しての認知が低く、実際の制度利用もあまり進んでいないことが浮き彫りとなりました(図4参照)。
これらの調査結果は、がん患者が直面している現実や治療継続のためのサポートがどのように行われるべきかを改めて考える契機となります。
結言
がん患者が薬物治療を効果的に継続できるようになるためには、医療現場でのさらなるサポート体系の強化と、経済的サポートの充実が不可欠です。今後もこのようなレポートを通じて、患者の声を届け、医療環境の改善に寄与していくことが重要です。
詳細な調査レポートについては、公式ウェブサイトにてご確認ください。