新作SF小説『Neu World』の魅力
内閣府ムーンショット型研究開発事業の一環として誕生したサイエンスコミュニケーションプロジェクト『Neu World』から、待望の新作SF小説が登場しました。第7弾は文筆家中野伶理氏が執筆した「絶新宿のグラフィティ」、第8弾は作家伊島糸雨氏の「明晰世界(ルミネセンス・イヴ)」です。この二つの物語が、2050年の未来を舞台に、異なる視点から技術と人間関係の在り方を探求します。
「絶新宿のグラフィティ」の世界
「絶新宿のグラフィティ」は、新宿区歌舞伎町を背景に、高校生霧江サクヤが主人公です。彼は巨大な廃ビル〈歌舞伎城塞〉でグラフィティバトルに興じながら、家庭や社会からの鬱憤を晴らしていますが、運命の日、突如として襲う大地震によって街と城塞が消滅し、新たに立ち上がったのはVRで再生された新宿〈絶新宿〉です。かつての街の雰囲気を持ちながら、どこか異質なこの場所で、サクヤは異なる体験をすることになります。
「明晰世界(ルミネセンス・イヴ)」の探求
一方、伊島糸雨氏の「明晰世界(ルミネセンス・イヴ)」は、実験都市〈自明都市(ルミナシティ)〉を舞台に、20歳の早峰杜鵑が主人公です。この都市では、住民の思考を記録・解析するBMI装置が使われており、データの最適化に基づいた生活が送られています。しかし、杜鵑は自分の存在意義に迷いや葛藤を抱え、自分自身の運命を自ら選び取るべく奮闘します。
テクノロジーと共生する未来を考える
両作に共通するテーマは、技術の進化が将来の人間関係や意識に及ぼす影響です。特に『Neu World』のプロジェクトでは、IoB(Internet of Brains)を基盤に、脳波や生体信号を用いたアバター操作に関する新たな未来観が示されています。このような技術が社会に実装されたとき、私たちが送る未来の姿を見つめ直す契機を提供しています。
作品のアクセスと反響
『Neu World』の新作作品は、公式ウェブサイトで無料で公開されており、誰でもアクセス可能です。また、作品を読んだ感想についてはSNSでハッシュタグ #NeuWorld を使って投稿することができます。これにより、一般の意見が科学技術の研究や社会実装に反映される機会となります。
未来への挑戦
『Neu World』の目的は、これらの物語を通じて、未来社会のビジョンを提示するだけでなく、読者との対話を楽しみながら共創していくことです。AIと人間、テクノロジーと人間社会の関係性を描いた作品をぜひお楽しみください。
公式サイトやSNSを通じて皆さんの意見や感想をお聞きし、今後の研究活動に繋げていきたいと考えています。新しい未来の扉を開く『Neu World』。どうぞご期待ください!