日本における企業との信頼構築の現状とAI活用の重要性

日本における企業との信頼構築の現状とAI活用の重要性



2025年6月26日、リアルタイムかつパーソナライズされた顧客体験を提供するカスタマーエンゲージメントプラットフォーム、Twilioが発表した「顧客エンゲージメント最新動向」第6回年次レポートによると、日本の消費者が企業に個人データを預けることに対する信頼度は驚くほど低いことが明らかになりました。このレポートは、日本を含む18カ国にわたり、7600人以上の消費者と600社以上の企業を対象にした調査に基づいています。

調査結果の概要


調査によると、AIは確かに企業が消費者の期待に応え、リアルタイムな体験を提供する上で重要な役割を果たしています。しかし、消費者が企業の信頼を失うリスクも増大していることが指摘されています。日本企業の94%は、顧客対応業務においてAIの効果を実感しているものの、顧客との信頼関係を築くことが困難である事実が浮き彫りになっています。

特に、グローバルな調査結果と比較すると、日本企業は56%が「顧客を理解している」と自信を持っている一方で、消費者の20%しか「企業に理解されている」と感じていない現状は、両者の間に大きなギャップがあることを示しています。また、企業と消費者の相違により、個人データを安心して預けられると感じる日本人はわずか7%に過ぎず、これは調査対象国の中で最低の数値となっています。

AIの活用とその影響


AIの活用によって、消費者は以前よりもパーソナライズされた体験を受けられるようになりました。実際、56%のブランドがAIを使ったエンゲージメントを実施しており、その78%が売上の増加を経験しています。しかし、同時に60%の消費者は「ブランドが自分のデータを利用している」と感じており、不信感をも抱いています。

また、顧客ロイヤリティの獲得に対する難しさも増しています。消費者の56%は、魅力を感じない体験をした場合、その企業での購入をやめると回答しています。一方、84%はリアルタイムでパーソナライズされた対応を受けることで購入意欲が高まることから、企業の対応が顧客の期待に応じたものでなければならないという重要性が強調されます。

透明性の重要性


このレポートからは、透明性が消費者との信頼関係を築くための重要な要素であることも明らかになりました。消費者は、AIとの対話であることを明示されることを求めており、企業に対して責任あるAIの活用を期待しています。これまで以上に、企業は顧客との間に信頼を築くため、透明性を重視したコミュニケーションが求められています。

Twilio Japanの代表、久保敦氏は、「顧客の信頼なしにロイヤリティは生まれず、それがブランド価値の基盤になる」と述べています。これは、現代のビジネス環境においても重要なメッセージです。強固な顧客関係を築くためには、単にAIを導入するだけではなく、顧客一人ひとりの価値観を尊重する姿勢が必要です。

今後の展望


今回の調査結果は、企業がこれからの市場で成長し、ロイヤリティを厚くするためには、透明性の確保やパーソナライズの大規模な実現が不可欠であることを示しています。信頼を得て強固な顧客関係を築くことは、企業にとって今後ますます重要な課題となるでしょう。

全体を通じて、顧客エンゲージメントの向上がAI投資のリターンを最大化するカギであることが示されており、企業は顧客との信頼関係の構築を両立させたエンゲージメントの強化に取り組む必要があります。顧客ロイヤリティの獲得が難しい現代において、いかに信頼を築くかが、今後の成長を左右する重要な要素となるでしょう。

2025年版「顧客エンゲージメント最新動向」レポートの詳細はこちらからご覧いただけます。

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