アシックス、グローバルなサステナビリティ推進の新たな一歩を踏み出す
株式会社アシックスが、サステナビリティERP「booost Sustainability」の導入を発表しました。このシステムは、アシックスのグローバル拠点やサプライヤーのサステナビリティ情報を一元的に管理し、経営の透明性および効率性を向上させることを目指しています。これにより、同社はサステナビリティ経営のさらなる実現を図ることになります。
導入背景と国際的な動向
最近、企業に対してサステナビリティに関する透明性を確保するための法規制や基準が世界中で整備されています。例えば、国際サステナビリティ基準審議会の基準や、欧州の企業持続可能性報告指令(CSRD)、日本のサステナビリティ基準委員会(SSBJ)の基準が挙げられます。これらの施策は、環境や社会面への負荷を把握し、製品単体に関しても透明性を求めるものです。
また、欧州のエコデザイン規則(ESPR)やデジタルプロダクトパスポート(DPP)に従い、企業は製品のカーボンフットプリントを明示することが求められています。このため、日本企業もバイヤーからの求めに応じて環境負荷を提示する姿勢が求められています。さらに、企業のGHG(温室効果ガス)排出量の多くがScope3から来ているため、これに対する厳密な管理が必要です。
アシックスのサステナビリティへの姿勢
アシックスは、創業以来の哲学「健全な身体に健全な精神があれかし」を基に、サステナビリティに取り組んできました。人権や透明性への配慮、気候変動への対応、循環型ビジネスの推進を戦略の中心に据えています。さらに、アシックスは全世界でマーケティング活動を展開しており、売上の80%を海外から得ています。このような背景のもと、グローバルなサステナビリティ戦略の実現に向けて「booost Sustainability」の導入を決定しました。
このERPは、サプライヤーから収集したプライマリーデータを利用して製品のカーボンフットプリントを算出することで、サステナビリティ情報をリアルタイムで管理することを可能にし、データに基づいた効果的な施策を支援します。
導入決定の理由
アシックスのサステナビリティ部長、井上聖子氏は、「サステナビリティ情報の開示要求は年々高まっており、そのデータを効率的に管理する必要がある」と述べています。サプライヤーおよび拠点でのデータ収集をリアルタイムで行い、早期に情報を提供するシステムの導入が必要とされていました。「booost Sustainability」は、こうした要求に応える理想的なシステムであり、エンタープライズ企業での実績も評価され、導入が決定されました。
グローバル企業としての責任
アシックスは、グローバル企業としての責任を果たすため、引き続き多角的なサステナビリティ戦略の推進を目指し、社外からの知見を取り入れることで、より実効性の高い管理体制を構築していきます。今回の「booost Sustainability」の導入は、アシックス社が持つグローバルな影響力を活かし、サステナビリティ情報の透明性を高める一助となることでしょう。
Booost株式会社のコメント
Booost株式会社の代表取締役、青井弘憲氏は「アシックス様にbooost Sustainabilityを採用いただけることを大変光栄に思います。サステナビリティに関する国際的な基準や規制の整備が進む中、この情報管理の重要性はますます増しています」と語っています。
Booost株式会社は、今後もアシックスと共にサステナビリティの取り組みを一層強化し、日本企業全体のサステナビリティ推進に貢献していく意向を示しています。
結論
アシックスの「booost Sustainability」の導入は、サステナビリティ推進の重要性が高まる現在、同社が未来のビジネス環境に適応し、持続可能な経営を実現するための重要な一歩です。これにより、企業価値を向上させるだけでなく、社会全体のサステナビリティの向上にも寄与していくでしょう。