スチールアーチが切り拓く新たな建築の未来
株式会社STEEL ARCHは、2021年8月に設立以降、革新的な建材と建築技術の開発を進めてきました。そして、2023年3月に発表した「スチールアーチ」は、建築基準法に準拠した建物として、全国での安定供給と迅速な対応が可能な新たな建築様式です。この独自開発されたアーチシェル構造は、薄板軽量形鋼を使用しており、柱を使わずに広々とした空間を提供します。
スチールアーチ誕生の背景
創業当初、STEEL ARCHはスチールガレージの製造販売を行っていましたが、コロナ禍による世界的な影響により、人材不足や資材高騰が影響を及ぼしました。その過程で、よりデザイン性の高いアーチシェル構造の可能性に目を向け、新たな事業展開を模索しました。しかし、日本国内では建築基準法に適合する薄板アーチシェル構造の製品が存在しなかったことから、事業展開は困難でした。
これを踏まえ、STEEL ARCHは、自社で金属建材と成型機の開発に取り組み、内製化を推進しました。さらに、専門的な有識者からサポートを受けながら、国内初の薄板軽量形鋼を使用したアーチシェル構造で、保有水平耐力計算を含む構造評価を取得することに成功しました。
特徴的な構造と安全性
最大の特徴は、軽量ながら高い強度を持つ建築構法です。スチールアーチでは、最大間口10m、最小5mの自由なサイズ設計が可能で、465mmピッチで成型されたガルバリウム鋼板を用いることで、連続して屋根と壁を一体化しています。このことにより、雨漏りのリスクを減少させることも実現しています。
また、スチールアーチは、厳しい自然環境に対する耐性も兼ね備えています。地震や台風など、日本特有の厳しい気候条件にも適した設計であるため、構造評定機関からの評価にも耐え得る性能が確認されています。
コスト削減と地域貢献
近年の円高や資材コストの高騰に伴い、建築業界は厳しい状況に直面していますが、スチールアーチは従来の鉄骨造に比べてコストを約50%削減し、さらに施工にかかる人件費も40%削減することが実現可能です。これにより、施主や施工者との間でWin-Winの関係を築くことができ、経済的な負担を軽減します。
さらに、スチールアーチは店舗だけでなく、非常時の備蓄倉庫やシェルターとしても活用でき、地域活性化にも寄与する可能性を秘めています。これにより、建材供給の安定だけでなく、地域社会に貢献するという使命を持っています。
これからの展望
スチールアーチは、今後も全国展開を進め、多様なニーズに応える建築ソリューションを提供していく考えです。地域の方々に安全で快適な住環境を提供し、建築業界に新たな風を吹き込む存在として、これからの展開に期待が寄せられています。