日本ポリプロが新たに開発したポリプロピレン樹脂
日本ポリプロ株式会社は、東京都千代田区を本社とし、代表取締役社長を飯島要氏が務める企業です。このたび、同社は従来のポリプロピレン(PP)では実現が難しかった「究極の透明性」を誇る新たな樹脂の開発に成功しました。
この新しいポリプロピレン樹脂は、透明部材の曇り具合を示す指標「ヘイズ値」において、従来材の15%に対し、1.5%という極めて低い数値を達成しています。これは、長年の材料設計技術と独自のメタロセン触媒技術の成果です。
開発の背景
最近、食品包装や日用品、医療用材などの分野において、「高い透明性」と「軽量化」を両立する素材への需要が急速に高まっています。従来のポリプロピレンは、軽量で成形性に優れていたものの、透明性ではポリスチレン(PS)やポリエチレンテレフタレート(PET)に劣っていたため、用途が限られていました。そこで、日本ポリプロは新たな材料設計と触媒技術を組み合わせ、革新的な樹脂の開発に乗り出しました。
製品の特長
1. 究極の透明性の実現
新たなポリプロピレン樹脂は、独自のメタロセン触媒技術により高い分子制御と均一な構造を実現しました。これにより、ポリプロピレンとしては最高レベルの透明性を誇ります。これまでのポリプロピレンでは困難だったクリアな仕上がりを可能にしています。
2. 環境への貢献
この新素材はポリスチレンやポリエチレンテレフタレートの代替素材として利用することができ、製品の軽量化を実現します。軽量化は輸送の効率を向上させるだけでなく、CO₂の排出量を削減することにも寄与します。環境に優しい次世代素材として、広範な用途が期待されています。
具体的な性能
- - MFR (g/10min): 30(従来材も同様)
- - 曲げ弾性率 (MPa): 開発材1,450、従来材1,350
- - シャルピー衝撃強度 (23℃)(kJ/m2): 開発材4、従来材4.5
- - ヘイズ値(t=1mm) (%): 開発材1.5、従来PP材15
上の表は新開発のポリプロピレン樹脂と従来の透明PPの詳しい性能を比較したものです。
展示会での特別な機会
この新素材は、11月12日から14日に幕張メッセで開催される「サステナブルマテリアル展」にてサンプル展示されます。この機会にぜひ、究極の透明性を実際に体験してみてください。
日本ポリプロは、独自技術を駆使してポリプロピレンの新たな可能性を追求し、持続可能な社会の実現に向けて貢献していきます。興味のある方は、ぜひ企業の公式サイトを訪れてみてください。