首都圏賃貸市場動向に関するレポート
日本情報クリエイト株式会社は、首都圏の賃貸不動産市場の現状をより詳しく理解するための月次レポートを発表しました。このレポートでは、賃貸指標として利用されているCRIX指標を活用し、東京23区、神奈川県、埼玉県、千葉県のエリア別の動向を分析しています。最新のデータに基づいた分析を通じて、各地域の賃貸市場における変化を探ります。
東京23区の賃貸市場:変調の兆し
東京23区の賃貸住宅市場は一定の成長を見せていましたが、最近のデータからは変化が見られることが分かります。特に、アパート及びマンションの空室率は、全面積帯での改善が進行していましたが、2025年6月には一部の面積帯で横ばいまたは悪化の兆しが現れています。具体的には、アパートの0-20㎡やマンションの50㎡以上では前月比で影響が出ており、他の面積帯でもわずかながら軟化が見られます。
賃料の動向
支払い賃料に関しては、特に20-30㎡および30-50㎡のアパートでは前年同月比で下落が続き、マンションでも20-30㎡の価格に影響が出ています。これにより、賃料の高い物件からは入居者が減少している可能性があります。市場全体において、東京23区はこれまでの好調から少しずつ変化の兆しを感じ取る必要があるでしょう。
神奈川県の状況
神奈川県では、隣接する川崎市が東京23区の高い家賃からの逃避者を受け入れています。川崎市の賃貸市場は全面積帯で支払い賃料が前月比で下がっており、入居者がリーズナブルな物件を選好している様子が伺えます。
横浜市でも、アパートの50㎡以上とマンションの30-50㎡を除き、空室率が改善されていることが注目されています。マンションについては、少し前までは悪化見込みが続いていましたが、ここに来て天井を打ったとの評価もあります。一方、この地域の空室率の高いセグメントでも支払い賃料が上昇しているのは注目すべき点です。
埼玉県の動向
埼玉県、特にさいたま市では、やや東京23区からの距離があるため、アパートとマンションの空室率は悪化傾向にあります。アパートの50㎡以上については賃料が上昇していますが、それ以外の面積では入居者が他地域に移動している傾向が見られます。
千葉県の状況
千葉県西部では、空室率は改善が見られますが、前年同月比での悪化も指摘されています。特に、0-20㎡の単身者向けやアパートの50㎡以上では供給過剰が続いており、支払い賃料が低迷している状況です。これにより、賃料を引き下げることで入居を促進していると考えられます。
まとめ
日本情報クリエイトは、全都道府県および主要市区町村の賃貸市場データをサポートし、詳細な分析や可視化を可能にするBIツールなども提供しています。今後、首都圏の賃貸市場の動向に注視し、各エリアの特性を理解することが求められるでしょう。より詳細なエリア情報は、弊社のレポートにてご確認いただけます。これからも市場の変化に適応し、新しい情報を提供し続けてまいります。