新刊『大統領たちの五〇年史――フォードからバイデンまで』
2024年9月26日に発売される村田晃嗣氏の新著、『大統領たちの五〇年史――フォードからバイデンまで』が注目を集めています。同志社大学の教授である村田氏は、アメリカの政治外交史を専門とする一流の研究者であり、その知見をもとに、近年のアメリカの歴史を描き出しています。この本は、アメリカの政治の変遷を理解するための必読書と言えるでしょう。
本書は、1974年にニクソン大統領が辞任してからの50年という長い期間に焦点を当てており、劇的な変化を遂げてきたアメリカの政治を深く掘り下げています。フォード大統領が副大統領から急遽大統領に就任し、次いでカーター、レーガン、ブッシュ(父)、クリントン、ブッシュ(息子)、オバマ、トランプ、最後にバイデンまで、合計9人の大統領たちがどのように国と世界を変えてきたのかが詳細に描かれています。
本書の目次には、各大統領の重要な出来事や政策、内政と外交の動向、さらには日米関係の変遷などが網羅されており、これまでのアメリカの政治的背景を理解するための包括的な内容になっています。また、これから迎える11月の大統領選を前に、アメリカの未来を考えるための良い材料を与えてくれます。
著者はプロローグで、フォードからバイデンまでの各大統領の自伝や伝記を通じて、彼らの人格、信条、内政への影響を読み解いています。村田教授は、アメリカの衰退が叫ばれる中、その国力と自信をどのように回復させてきたのか、またどのような課題に直面しているのかを鋭く分析しています。
さらに、冷戦後のアメリカの政策や、米中冷戦の形成、内政の保守化、および貧富の格差といった問題にも触れています。アイデンティティ政治の台頭や社会の分断の懸念についても言及し、読者に現代アメリカの政治を考えさせる契機を与えることを狙っています。
村田教授自身の経歴も注目です。1964年に神戸市で生まれ、同志社大学法学部を卒業後、神戸大学大学院で博士課程を修了。ジョージ・ワシントン大学での留学経験や広島大学での教員を経て、同志社大学法学部の教授に就任、また大学の学長も務めるなど多岐にわたり専門的な知見を有しています。
この新刊は、アメリカを理解し、その歴史を知るための貴重な一冊であり、政治に興味を持つ人だけでなく、リーダーシップや政策が国に与える影響を考える上でも多くの示唆を与えてくれることでしょう。アメリカの未来を考慮する上で、必見の書として手に取ってみる価値があります。