2025年に予定される東京ウイスキー&スピリッツコンペティション(TWSC)で、特に注目を集めているのが新設された「ジャパングランプリ」という部門です。この新しいカテゴリーは、ジャパニーズクラフトウイスキーに特化したもので、今年の1月に行われた一次審査を通じて選ばれたアイテムが、ついに最終審査を迎えます。
最終審査は、2025年4月5日(土)に東京都のウイスキー文化研究所セミナールームで開催され、審査員たちが集まる対面形式の審査会は、TWSCの開催以来、6年ぶりとなります。この審査会では、特別審査員21名が選ばれ、過去の品評会から見ても非常に意義深いイベントとなるでしょう。
ジャパングランプリの受賞アイテムは、受賞者発表の際にTWSC2025全体の結果として公表される予定です。このように、ジャパングランプリの創設は、日本のクラフトウイスキーの発展を色濃く反映しています。
近年、ジャパニーズウイスキーの蒸留所は急増しています。2020年には30ヵ所だった蒸留所が、2024年には110ヶ所を超える見通しです。この背景には、コロナ禍で新たに創設された蒸留所が多いことも挙げられます。各蒸留所は、一般消費者にアピールするため、特に3年以上熟成された商品を続々とリリースしています。新設されたジャパングランプリは、これらのクラフト蒸留所をサポートし、製品の認知度向上に大きな役割を果たすことが期待されています。
さらに、TWSCは今年からジャパニーズクラフトウイスキーに関する新しいカテゴリーの設置を決定しました。これは、クラフト蒸留所の製品をより多くの人々に知らしめることを目的としています。また、新たに定義された「ニューボーンウイスキー」や「ニューメイクスピリッツ」にも対応したカテゴリーが設けられ、実際に審査に使用される予定です。
ジャパングランプリで授与されるメダルは、日本を象徴するデザインが施されており、特に日の丸を意識した赤色や金帯が盛り込まれています。このメダルは、受賞者にとっての誇りとなるでしょう。
TWSCでは、受賞アイテムを毎年公式ガイドブックとして発行し、ウイスキー専門誌『ウイスキーガロア』にも掲載することで、さらなる広報活動を行い、受賞した製品の価値を高める計画が進められています。また、受賞式や大規模な試飲会の開催も予定されています。これにより、一般の人々に向けたPRの機会が設けられることになります。
ウイスキー文化研究所が主催するこの品評会は、国際的に注目されています。TWSCは、ウイスキー関連の情報を収集し発信するだけでなく、ウイスキー文化そのものの普及にも貢献しています。そのため、日本、アジア、さらには世界のウイスキーとスピリッツ文化を繋ぐ重要な場として機能しています。
土屋守氏が実行委員長を務めるTWSCは、ウイスキーの専門知識をもとに、参加者それぞれが評価し合うことで、真に優れたウイスキーを選出することを目指しています。今回の新設部門、ジャパングランプリも、その理念に基づいて、さらなる発展が期待されています。