こめ油の未来
2025-04-25 10:38:31

こめ油の高付加価値化がもたらす未来 - 日本油化学会工業技術賞受賞

こめ油の高付加価値化がもたらす未来 - 日本油化学会工業技術賞受賞



受賞の背景



令和6年度の日本油化学会工業技術賞において、築野食品工業株式会社、東北大学大学院農学研究科、東京大学大学院農学生命科学研究科から成る共同研究チームが受賞した。彼らの研究は、こめ油の高付加価値化を実現するための分析技術開発に関連するものである。本研究により、現代社会が抱える健康課題や資源の有効利用というニーズに応えることができる。

受賞タイトルの理解



受賞タイトルは、「確かな分析技術に基づく高付加価値な『健康オイルこめ油』の製品化と次世代型の開発に向けた戦略」であり、これはこめ油を健康オイルとして位置づけ、次世代型製品への展開を視野に入れたものである。

研究の背景と意義



最近、国民の健康意識が高まる中、食用油に求められる品質も変化している。特に「健康オイル」への需要が増大しており、米糠から製造されるこめ油には、γ-オリザノールやビタミンEなどの健康に寄与する機能性成分が豊富に含まれているため、特に注目されている。

しかし、こめ油の持つ機能性成分は、構造が類似した異なる分子種から形成されており、それにより製品中の各成分の含量を明確に把握することが難しいという課題が存在した。

本研究では、こめ油の機能性成分の分析技術を開発し、これらの課題を克服するための取り組みを行った。

研究成果と革新性



本共同研究チームは、こめ油に含まれる種々の機能性成分の正確で迅速な測定が可能な分析技術を確立した。さらに、各機能性成分の分子構造に注目し、特にγ-オリザノールにおける分子種分析法も成功させた。この結果、各機能性成分の差異に基づく新たな分子種の発見やその作用機序の解明にも寄与した。

研究成果として、γ-オリザノールの分子種間の消化管での分解特性の違いが示され、特定の分子種に注目した次世代型健康オイルの製品開発が期待されている。これにより、科学的に保証されたこめ油の開発が可能になった。

環境と社会への貢献



こめ油の生産は、米の副産物である米ぬかを活用し、環境や社会の持続可能性にも貢献する活動である。技術の進歩により、こめ油関連製品の開発が進むことで、世界的な食料供給や健康問題の解決が期待される。また、築野グループの長年にわたる研究の成果が、受賞という形で評価されたことは、多くの人々にとっても励みとなる。

日本油化学会について



日本油化学会は、油脂や脂質に関する科学技術の発展を目指し、産業の進展や健康の向上に寄与する学術団体である。特に、サステナビリティに対して早くから目を向けてきたため、同学会の工業技術賞は、油化学分野における革新的な技術に与えられる名誉ある賞といえる。

まとめ



築野食品工業と大学の共同研究による今回の受賞は、科学的意義と社会的貢献がいかに重要であるかを示している。こめ油の可能性を広げる研究は、将来的に人々の健康に寄与することが期待されており、さらなる発展が待たれる。



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会社情報

会社名
築野食品工業株式会社
住所
和歌山県伊都郡かつらぎ町大字新田94
電話番号
0736-22-0061

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