新発見!女王蜂由来乳酸菌が免疫力向上に寄与
最近、株式会社山田養蜂場の健康科学研究所が神戸大学や熊本大学との共同研究によって、女王蜂由来乳酸菌M1菌がローヤルゼリーに含まれる成分の変換に関しての新たな知見を発表しました。この研究は、免疫機能の維持や強化に寄与する可能性を示しています。
研究の背景と目的
2020年1月から2024年5月までの新型コロナウイルス感染者数は約3,300万人を超え、さらに2023-2024年のインフルエンザシーズンでは約1,800万人が感染している現状から、感染症対策が求められる中で、体の免疫力を高める研究が注目されています。当社では、ローヤルゼリー中の成分の研究に取り組み、特に10-ヒドロキシデカン酸(デカン酸)が腸管免疫機能において重要な役割を果たすことを解明しました。これにより、デカン酸を効率的に生成する方法を模索し、女王蜂由来の乳酸菌M1菌を発見したのです。
M1菌の特徴と発酵ローヤルゼリーの開発
157株の乳酸菌から選別した結果、M1菌はローヤルゼリー中のデセン酸をデカン酸に変換する能力を持つことが確認されました。この研究によって、発酵ローヤルゼリーが開発され、その中のデカン酸の量が5倍に増加することができました。この新しいローヤルゼリーは、デカン酸の特性を活かし、免疫機能の強化が期待されています。
免疫機能向上に関する試験
研究では、発酵ローヤルゼリーが腸管免疫において重要な役割を果たす「M細胞」や「プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)」の機能を高めることが示されました。
- - M細胞の分化促進: 発酵ローヤルゼリーの添加により、M細胞の数が有意に増加し、免疫の「門番」としての役割が強化されました。
- - pDCの活性化: この細胞は免疫機能の司令塔として機能し、発酵ローヤルゼリーによってその活性化が促進され、実験の結果も良好でした。実際のヒト試験でも、pDCの活性化マーカーの増加が確認されています。
- - マクロファージ貪食能の向上: M1菌の活性化により、マクロファージが異物を効率よく取り込む能力も高まりました。
- - IgA抗体の分泌促進: 健康な人に発酵ローヤルゼリーを摂取してもらったところ、唾液中のIgA抗体分泌が促進されることが確認されました。
まとめと今後の展望
研究により、発酵ローヤルゼリーは免疫機能の向上に寄与することが期待されます。M1菌の研究は、今後ますます進展し、予防医学の観点から、個々の健康寿命を延ばすための重要な要素となるでしょう。山田養蜂場は引き続き、この研究を深めていく所存です。