松竹アーツアンドクラフツ始動
松竹株式会社は、創業130周年を記念し、新たなプロジェクト「松竹アーツアンドクラフツ」を立ち上げました。このプロジェクトの目的は、エンターテインメント制作に関わる職人たちの技術と魅力を発信し、その活躍の場を広げることです。
長い伝統と貴重な技術
松竹は130年以上にわたり、歌舞伎、演劇、映画を手掛けてきました。その制作過程では、衣裳や美術、小道具を手がける職人たちが欠かせない存在です。これまで、彼らの技や創意工夫についてあまり語られることはありませんでしたが、それらの作品にじっくり目を向けることで、彼らの丹念な手仕事の価値に新たな気づきを得ることができます。
本プロジェクトでは、歌舞伎や演劇、映画を愛する皆様に、職人の技術と魅力を直接届けることを目指します。具体的な取り組みとして、実際に上演で使用された衣裳や美術、小道具などを用いた商品の制作・販売や、オークションの開催が計画されています。
第一弾企画:130周年記念オークション
「松竹アーツアンドクラフツ」の第一弾企画として、特別なオークションが実施されます。このオークションでは、著名な歌舞伎役者である尾上菊之助改め八代目尾上菊五郎の協力のもと、2025年5月から6月にかけての襲名披露公演で実際に使用された衣裳や美術、小道具が出品される予定です。
歌舞伎における「襲名」は、名跡や技、心を継承する重要な節目です。このオークションを通じて、名高い名跡の襲名披露に使用された貴重なアイテムを間近で見る機会を提供します。これらの品々は、歌舞伎制作における職人の技が込められた逸品です。
さらに、オークションの一部収益は職人たちに還元され、今後の舞台制作に役立てられることが期待されています。このように、松竹にとって初めての試みである襲名披露興行での出品を実現したことは、業界全体にも新たな風を吹き込むことでしょう。
オークション出品物
以下は、オークションに出品される予定の一部アイテムです。
- - 衣裳: 赤綸子雲霞枝垂桜繍振袖 着付
- - 衣裳: 黒縮緬駕籠目に菊染物柄裾模様赤縮緬裾振袖 着付
- - 小道具: 中啓、振り鼓、番傘
- - 大道具: 背景画額装
- - 押隈: 隈取(『菅原伝授手習鑑 車引』、など)
これらのアイテムは、歌舞伎の奥深い世界観を感じさせるものであり、観客たちに本物の芸術を体感していただける貴重な機会となります。
オークションの詳細と観覧方法
プレビュー展示
オークションの前に、出品物の一部を歌舞伎座の2階ロビーでプレ展示します。この展示は、「六月大歌舞伎」の公演期間中に実施され、観劇される方のみがご覧いただけます。プレビュー期間は、2025年6月2日から27日まで(10日と19日を除く)です。
オークション
オークション自体は、2025年6月28日に銀座近辺で開催され、事前入札や現地参加に関する詳細が公式サイトで発表される予定です。
このプロジェクトを通じて、松竹はエンターテインメント制作における職人たちの価値を再確認し、今後の発展につなげていく方針です。ぜひ、皆様のご注目をお持ちいただき、参加を検討していただければと思います。
本プロジェクトについてのお問い合わせは、上記の公式サイトから行うことができます。