未実現橋がVRに登場
2022-08-30 10:00:03

VRで蘇る荒川修作とマドリン・ギンズの未実現橋構想

荒川修作とマドリン・ギンズのVR作品



2022年の国際芸術祭あいちで、著名な美術家である荒川修作と詩人のマドリン・ギンズによる新たなVR作品が初めて発表されました。その名も《問われているプロセス/天命反転の橋―2022 VR版》。この作品は、かつてフランスのエピナール市に架かる予定であった橋の構想を基にしています。彼らの中心的な思想「天命反転」の概念が込められたこの作品は、後に数々の重要なプロジェクトへとつながる種となりました。

プロジェクトの背景



荒川とギンズは、1970年代から一貫して人間の身体と環境の関係を探求してきました。《問われているプロセス/天命反転の橋》は、彼らが提唱する新たな生き方を提示する重要な作品として位置付けられています。実際には完成することがなかったこの橋、自身の身体を用いて新たな体験を得ることを目的として設計された21の装置から成り立っています。各装置には、「光の身体的推量」や「共同体的凝視のプロセス」といった名称が付けられ、参加者に特定の身体的行為を誘発する作りになっています。

VR体験の詳細



このVR作品は、全長13メートルの模型と制作ノートを基に構築され、実際には140メートルに及ぶ橋の50メートル区間を仮想空間上で再現しています。観客は複雑な構造を持つ橋を仮想的に渡ることができ、その体験を通じて作品と対話することが可能です。これは、作品が持つ哲学的なメッセージを体感する一つの手段とも言えるでしょう。実際に作品を体験することにより、荒川とギンズの思想がどのように具現化されているのかを感じ取ることができます。

展示会場とイベント



今回の展示は、名古屋市東区の愛知芸術文化センターペデストリアンデッキで行われており、9月3日、4日、17日、18日の計4日間にわたって公開されています。開催時間は10:00から17:30までで、特に9月2日にはトークイベントも予定されています。参加者にとって、作品の裏側にあるテーマや意義を直接聞くことのできる貴重な機会となっています。興味がある方は、ぜひウェブサイトで詳細を確認してください。

このように、荒川修作とマドリン・ギンズのVR作品は、ただの視覚的な体験を超え、鑑賞者に身体的かつ哲学的な問いかけをもたらします。彼らのアプローチは私たちに新たな視点を提供し、日常生活やアートとの関わり方を再考するきっかけとなるでしょう。この作品を通じて、日本と世界を結ぶ重要なアートの流れに触れることができるのです。

会社情報

会社名
株式会社ミュー
住所
東京都港区南青山4-26-23-3B
電話番号
090-7702-0176

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