「IC110R」の登場
株式会社加藤製作所が新たに全旋回式クローラキャリア「IC110R」を2025年10月に販売開始します。この新機種は、最大積載量11トンを誇り、作業現場での輸送性と安全性を高めた設計になっています。
開発の背景と需要
クローラキャリアは、インフラ整備や災害復旧作業、また林業など幅広い分野で使用されていますが、これまでのモデルでは作業効率や安全性に不十分な点がありました。これらの課題を解決するために、2023年に同社は全旋回式クローラキャリア「IC70R」を開発し、その際に「低重心」「コンパクト」「高い安全性」という新しいコンセプトを打ち出しました。
そして、「IC110R」ではさらにこのコンセプトを発展させ、11トンの積載量を持つモデルを誕生させました。コンパクトな車体設計により、様々な現場での活躍が期待されます。
特長の紹介
1. 輸送性
「IC110R」はクラス最小の車体寸法を誇り、全長5590mm、全幅2670mm、全高2700mmとすることで、輸送や現場への搬入を格段に容易にしました。このコンパクトな設計により、狭い場所でも運搬の柔軟性が確保されています。
2. 作業性能・操作性
このモデルでは耐摩耗鋼を使用した新型荷台を採用しており、積載容量は6.1㎥(山積み)で最大積載圧11トンです。また、新たに搭載されたエアコン操作機能やカメラ機能を統合した10.1インチのタッチパネル式統合モニタによって、操作性が向上されています。これにより、機械の状態や積載状況を一目で確認でき、作業効率がさらに向上します。
3. 安全性
運転席からの視界が大幅に良化されており、右サイドカメラや後方カメラの装備により死角が減少したことで、安全な作業が可能です。また、低重心設計により安定性が確保され、走行時や旋回時の転倒リスクが大幅に低減されました。さらに、エンジンオーバーラン防止機能や速度制限機能も注目されます。
4. 整備性
「IC110R」は整備のしやすさにも考慮されており、大型カバーを採用することでエンジンルームの開口部が拡大されました。これにより、日常的な点検や整備が行いやすくなっています。加えて、機体上部への昇降を便利にする格納式ステップも新たに搭載されており、省スペース化が図られています。
5. 居住性の向上
運転席の内装も見直されており、スイッチの集約や足元スペースの拡大により、運転者の居住性が向上しています。快適な作業環境を提供することを目指しています。
商品概要
「IC110R」は、2025年10月からの発売を予定しており、標準小売価格は34,800,000円(税別)からと明らかにされています。年間の販売目標は50台と設定されています。市場のニーズに応えるため、今後も全旋回式クローラキャリアのラインナップを拡充し、社会インフラの強化に貢献していく方針です。
会社概要
株式会社加藤製作所は1935年に設立された企業で、建設用クレーンや油圧ショベルなどを製造・販売しています。東京都品川区を本社とし、「KATO」はその信頼のブランド名です。詳細は同社の
公式サイトでご確認ください。
新型「IC110R」は現場のニーズに応えるだけでなく、安全性や作業効率も向上させた革新的な機械です。これからの作業現場でのその活躍に期待が高まります。