生成AI導入の不動産業界、約7割が積極姿勢も課題は残る

不動産業界における生成AIの導入状況

株式会社いえらぶGROUPが実施した「住まい探しにおける生成AIの利用状況調査」では、生成AIを利用したいと考えている不動産会社が約7割に達しました。しかし、実際に活用している割合は思ったほど高くなく、課題も多く残されています。ここでは、調査の結果をもとに不動産業界における生成AIの現状を詳しく見ていきます。

調査の概況

今回の調査では、不動産会社388社、エンドユーザー902名から有効回答を得て、生成AIの利用状況について分析を行いました。結果、生成AIを「利用したことがない」と回答した不動産会社は54.1%、エンドユーザーでも53.8%に達しました。これにより、業界全体がまだ生成AIの利用においては未熟な段階にあることが浮かび上がります。

生成AI活用に対する前向きな姿勢

とはいえ、約68.8%の不動産会社が「将来的に生成AIを業務に取り入れたい」と回答しています。また、自ら生成AIを活用している企業の多くは「時間の節約」や「作業効率の向上」を実感しているとしています。エンドユーザーに関しても、生成AIによるメリットについては「時間の節約」が最も多く挙げられました。

実際の利用状況

しかし、エンドユーザーや不動産会社の大半が利用していない現実がある中で、生成AIを利用している企業内での活用法は多岐にわたります。特に不動産会社の生成AI利用トップには「物件紹介や広告文の作成」が36.4%と高い割合を示し、「顧客対応や問い合わせの自動応答」も20.4%を記録しました。このように、生成AIは集客やマーケティング、業務効率化において重要な役割を果たしています。

AI導入の課題

daiただし、生成AI導入の障壁も存在しています。調査の中で「使いこなせる人材がいない」という声が19%の不動産会社から上がっており、専門的なスキルや知識が不足している現状が浮き彫りになりました。また、未利用の不動産会社の多くが「まずは試してみたいが、踏み出せない」という姿勢を持っていることから、その導入に対する障壁となり得ることが示唆されています。これらの課題を解決しなければ、生成AIの普及は難しいと考えられます。

いえらぶGROUPの取り組み

いえらぶGROUPの常務取締役、庭山健一氏は「生成AIの導入が進むことで、不動産業界全体の生産性向上が期待できる」とコメント。その反面、適切な人材の育成や導入支援が重要だと強調しています。同社の提供する「いえらぶCLOUD」では、AIの機能を活用した各種ツールを揃えており、専門的なサポートを行っています。