福島県企業がJQAより化学物質管理適合証明書を取得　ISO9001との組合せ審査で業界初

福島県企業が化学物質管理で業界初の快挙！JQAより適合証明書を取得

福島県福島市に拠点を置くトモト電子工業株式会社が、一般財団法人日本品質保証機構（JQA）から、画期的な適合証明書を取得した。この証明書は、ISO 9001規格への適合に加え、REACHおよびRoHS指令に準拠した製品含有化学物質マネジメントシステムに関するもので、JQAによる第一号の発行となる。

ISO9001と化学物質管理の融合：新たな審査基準

今回の審査では、JQAが独自に開発した審査基準が用いられた。この基準は、日本の有志企業が策定した化学物質管理指針「JAMPガイドライン」をベースに、トモト電子工業の主要取引先であるNEC株式会社の製品含有化学物質管理アセスメント手法を統合したものである。NECのアセスメントは、50項目にわたる化学物質管理項目について、サプライヤーの適合性を5段階で評価するもので、企業の強みと弱みを分析し、改善を促すツールとして開発された。

トモト電子工業の取り組みと今後の展望

トモト電子工業は、ワイヤーハーネス製造を主力事業とする企業。東北地方トップクラスの圧着アプリケータ保有台数を誇り、国内外に拠点を展開することでコスト競争力とジャストインタイム納品を実現している。近年、国内大手企業との取引増加に伴い、より高度な品質管理体制の構築が求められていた。今回の認証取得は、そうした企業努力の成果と言えるだろう。

同社の滝田社長は、「ISO 9001の仕組みを活用することで、信頼性の高い製品含有化学物質管理を継続できます。今後、NEC以外の取引先からの第二者監査を省略できるようになり、大幅な負担軽減につながることを期待しています」とコメントしている。

JQAの取り組み：サプライチェーン全体の負担軽減へ

JQAは、今後ますます厳しくなる化学物質管理規制に対応するため、電機メーカーとサプライヤー双方の負担を軽減する信頼性の高い審査サービスの提供に注力していく方針だ。今回の組合せ審査サービスは、ISO 9001やISO 14001といった既存の規格に、JAMPガイドラインに基づいた化学物質管理基準を追加することで、効率的な審査を実現。さらに、組織の要望に応じて、各メーカーの固有要求事項を追加することも可能だ。将来的には、統一的な化学物質管理基準の第三者認証サービスの実現を目指している。