朝起きづらさを感じる子どもたち
最近の調査結果によると、多くの子どもたちが朝、起きるのが難しいと感じていることがわかりました。特に秋から冬にかけて、気温が下がると「朝、なかなか起きられない」「体がだるくて学校に行きたくない」と訴える子どもが増加しています。この背景には、生活リズムの乱れやスマートフォンの利用、さらには塾や習い事の影響が指摘されています。
調査の概要
一般社団法人 起立性調節障害改善協会が行ったアンケート調査によると、約243名の保護者のうち、81.9%が「子どもが朝起きづらい」と感じていると回答しました。特に小学生から高校生の子どもにおいて、この傾向が顕著に見られました。
多くの家庭での実情
アンケートでは、具体的にいつごろから「朝起きづらい」と感じ始めたかの質問が行われました。その結果、33.7%が「小学校低学年以前」からその傾向が見られ、また全体の約60%が小学生から中学生のころに「朝起きづらさ」を訴えています。これにより、自律神経のバランスや成長段階における心身の変化が関連している可能性が示唆されています。
主な原因とは
子どもたちが朝起きづらくなった原因としては、最も多い回答が「就寝時刻が遅くなった」(28.6%)でした。さらに、スマートフォンやタブレットの利用が増えることで、就寝時間に影響が及んでいることも挙げられました。生活習慣の変化やストレスも影響をみせており、これらの要因が複合的に働いています。
症状と季節要因
朝起きられないという症状は、午前中に体調が悪い(29.5%)という形で表れます。また、「倦怠感」や「集中力の低下」も多く見られ、子どもたちの日常生活に大きな影響を与えています。
特に、4人に1人(25.5%)が「秋冬に体調が悪化する」と回答しており、自律神経の乱れが季節の変化に影響されることが分かります。
親の理解とサポート
このような症状が現れた場合、ただ「怠けている」として放置せず、身体のサインとして理解することが重要です。叱らず、まずは子どもを休ませる勇気を持つことが大切です。また、必要に応じて専門家に相談することで、適切なサポートを受けることができます。
まとめ
「朝起きづらさ」は、単なる生活リズムの乱れだけでなく、時に自律神経の問題が関与していることもあるため、注意が必要です。家庭でのサポートや理解を深め、自律神経の調整を助けるための環境づくりが重要です。これにより、子どもたちが無理なく回復できるよう、早期の気づきと支援を行う必要があります。
一般社団法人 起立性調節障害改善協会のメッセージ
代表理事の竹田浩一氏は、「思春期は身体が大きく変化する時期であり、特に小学校から中学校にかけての生活環境の変化が影響を与えることが多い」と述べ、子どもが朝の不調を訴えた場合には、無理をさせず理解を深める必要があると強調しています。