ジェーン・グドール博士が日本での特別イベントで伝えたメッセージ
世界的な動物行動学者であり、国連平和大使としても知られるジェーン・グドール博士(91)は、2025年6月12日から14日にかけて日本を訪れ、特別なイベント「Inspiring Hope Through Action──希望は、行動の中に。ジェーンから受け継いで」を開催しました。このイベントは、同博士が創設したユースアクションプログラム「Roots & Shoots」の理念を広め、未来の世代へ希望のメッセージを届けることを目的としています。
会場には、約2170名の若者や一般市民が集まり、博士の強いメッセージに耳を傾けました。グドール博士が語った「私たちが他の動物たちとつながっていることを伝え、一人ひとりの行動が世界を変える」という言葉は、多くの参加者に刺激を与えました。博士は希望を届けることが年々難しくなっているとしながらも、あきらめずにその重要性を訴え続けることを宣言しました。
イベントの初日には、若い参加者を対象にした対話型のプログラムが行われました。子供たちや中高生が自らの環境活動を発表し、Roots & Shootsワークショップを通じて、気候変動や環境問題について考えるきっかけを得ることができました。初日からすでに世代を超えた“希望の種”が蒔かれたのです。
次の日には、大人や教育関係者を対象にしたパネルディスカッションが実施され、グドール博士が「Hope in Action」というテーマで基調講演を行いました。日本の若者が未来への希望をどのように実感し、行動に移すかを探る議論が展開され、教育現場の事例が紹介されました。講演を通じて、参加者は自分たちに何ができるのかを再確認し、実際に行動に移す機会を得ることができました。
最終日となる6月14日には、映画上映や基調講演、植林活動が行われ、国際的な視点からも命と自然とのつながりを考えるイベントとなりました。映画『ANIMAL』の上映は参加者に深い共感を呼び起こし、グドール博士は「希望を実践に変える重要性」を語り、参加者は自らの活動を発表することにより、強いメッセージが会場に広がりました。
このイベントは、ただの講演やワークショップではなく、参加者一人一人が持つ希望や行動にフォーカスしたものでした。今後もジェーン・グドール・インスティテュートは「Roots & Shoots」への参加者を広く募り、活動の輪を全国に広げていく予定です。博士が長年伝え続けてきた「希望は、行動の中にある」というメッセージは、参加者にとって新たな行動のきっかけとなることでしょう。
このイベントの開催にあたっては、2025年4月から5月にかけてクラウドファンディングが行われ、多くの方々から約1,486,182円の支援が集まりました。これにより、会場費や設営費、通訳・運営にかかる経費を賄うことができ、活動を無事に進めることができました。今回のイベントを通じて、参加者全員が次世代に希望を伝えるための第一歩を共に踏み出すことができたのです。
ジェーン・グドール博士の言葉と行動が、未来を担う若者たちにしっかりと届くよう、私たち全員が引き続き、行動を起こしていくことが求められています。福井県の拠点でラウンドアップが行われる度に、未来へのステップを一歩一歩進めていきましょう。