ローカル5G活用によるスマート工場の実現に向けた3社の連携
製造業におけるデジタル化が進む中、その中核として「ローカル5G」の導入が急速に進展しています。この新たな通信技術は、工場内での機器制御において、大量のデータを迅速かつ安全に通信できる点で注目されています。特に、従来のWi-Fi環境では、回線の不安定さやセキュリティの課題がありましたが、ローカル5Gはこれらの問題を解決する力を持っています。
このたび、大崎電気工業株式会社、TRUST SMITH株式会社、株式会社エイビットの3社が連携し、ローカル5Gを活かしたスマート工場の実現に向けたプロジェクトを立ち上げました。異なる専門分野を持つ3社が手を組むことで、より革新的なソリューションの開発が期待されています。
プロジェクトの詳細
第1フェーズとして、大崎電気の埼玉事業所にてローカル5Gの実証実験を2021年4月から始める予定です。この事業所は、スマートメーターの製造においても名高い場所です。
実証実験では、以下の内容が計画されています。
- - スマートメーターを用いた設備監視: 高粒度の電力データを伝送し、工場の設備状況をリアルタイムでモニタリングします。
- - AIを活用したAGVの運用: 自動運転搬送車(AGV)に高精度なセンサーを搭載し、障害物を自動的に回避する機能を持たせます。
- - フレキシブルなAGV制御: 工場のレイアウトに応じてAGVを制御し、効率的な物搬送が可能です。
- - 画像解析によるデータ活用: AGVにはカメラも搭載し、映像データを解析して運用の精度を高めます。
- - フロア間移動の実現: AGVが異なるフロアをまたいでの移動ができるようにします。
加えて、既存機器もローカル5Gに接続し、データの収集と解析を進めていく方針です。これらの取り組みにより、製造現場全体の効率化と生産性向上を実現する狙いがあります。
ローカル5Gの利点
ローカル5Gの導入により、以下のような利点が期待されます。
- - 超高信頼・低遅延: リアルタイムでAGVを精密に制御できるため、タスクの迅速な処理が可能です。
- - 多数同時接続: スマートメーターやAGVなど、さまざまな機器が同時に接続できるため、効率的な運用が実現します。
- - 高いセキュリティ: 工場内からの情報漏洩を防ぎ、安全に機器を稼働させることができます。
連携する企業の紹介
大崎電気工業株式会社
大崎電気は、1916年創業以来、通信機器の開発に携わってきた老舗企業です。現在では、IoT技術の進展に伴い、先進的な研究開発に取り組んでいます。
TRUST SMITH株式会社
東京大学発のベンチャー企業で、AIやロボティクス分野でのソリューション提供を行っています。特に、企業のニーズに合わせたオーダーメイドのソリューションに強みを持っています。
株式会社エイビット
無線通信端末の開発メーカーとして、IoT需要に応える多種多様なソリューションを提供しています。日本でのトップシェアを誇る遠隔検針ユニットの開発実績があります。
これらの企業が力を合わせることで、製造業におけるデジタル化に新たな風を吹き込むことが期待されます。スマート工場の実現がいち早く進むことを願っています。