ダイカスト業界に革新をもたらすIoT技術
ラトックシステム株式会社と株式会社日米は、ダイカスト業界において新たな技術連携を発表しました。特に注目すべきは、日米の「離型剤自動希釈圧送装置」と、ラトックシステムの「IoT異常通知システム」が組み合わさることで、製造工程の効率を大幅に向上させる点です。これにより、離型剤が不足した際にも迅速に対応が可能となります。
連携の背景と目的
離型剤自動希釈圧送装置は、必要な量の離型剤を自動で希釈し、スプレー装置などに供給する装置です。この装置のメリットは、原液を設定倍率で希釈できる点ですが、その最大の課題は、離型剤が切れた際の対応です。通常、離型剤の不足を知るためには人の目が必要ですが、 IoT技術を使用することで、これを自動で検知できるようになります。
具体的には、離型剤が不足すると、スマートフォンへの通知、メール送信、さらには工場内の回転灯を点灯させるなどの機能が付加されており、作業者が素早く対応できる環境が整います。また温度センサーを設置することで、工場内の温度監視や熱中症対策にも寄与することができます。
具体的な効果
この技術の導入によって期待できる主な効果は、生産性の向上とダウンタイムの削減です。通常、離型剤が切れた際には生産が停止し、これが長時間続くことによって生産効率が低下します。しかし、IoT異常通知システムを導入することで、事前に離型剤の状況を把握し、適切に管理できるようになります。これにより、無駄な時間を削減し、安定した生産性を維持できると考えられています。
技術の構成
このシステムは非常にシンプルな構成で、必要な機器は装置に取り付けるユニットと、データをクラウドに接続するゲートウェイのみです。無線通信には920MHz帯のWi-SUNが採用されており、長距離でも安定した通信が可能です。ゲートウェイからクラウドに向けてはLTE-M回線を使用し、従来の社内ネットワークから切り離された状態で通信が行われます。
新たな市場の開拓
この連携により、日米は新しいシステム開発を行わずとも、顧客に対して効率化を提案できるようになります。ラトックシステムはダイカスト業界に新たな販路を開拓し、自社のIoTソリューションを多くの企業に提供できることになります。これにより、業界全体の発展にも寄与することが期待されているのです。
企業の紹介
ラトックシステム株式会社
- - 所在地: 大阪府大阪市
- - 設立年: 1983年
- - 事業内容: パソコンやスマートフォン関連製品の開発・販売。IoT関連技術も手がけ、特にカスタマイズが得意。
- - URL: ラトックシステム
株式会社日米
- - 所在地: 埼玉県八潮市
- - 設立年: 1950年
- - 事業内容: ダイカスト用離型剤、潤滑剤製造販売。長い歴史と豊富な実績によいるユーザーサポートが強み。
- - URL: 日米
結論
新たな連携によってダイカスト業界は大きく変わると期待されています。IoT技術の導入により、離型剤の管理が効率的になり、さらなる生産性向上が見込まれています。業界の未来にご注目ください。