経済困難家庭の夏休み、お出かけ機会が大幅減少の現実
東京都杉並区に本部を置く認定特定非営利活動法人カタリバは、経済的に困難な家庭を対象にした調査を実施しました。この調査の目的は、物価上昇が家庭の夏休みに及ぼす影響を把握することにありました。調査結果は、特に経済的な事情を抱える家庭において、夏休みの過ごし方に大きな変化が生じていることを示しています。
調査の実施背景と概要
カタリバでは、2020年から「キッカケプログラム」を通じて、経済的に困難な家庭に学びの機会を提供しています。このプログラムでは、パソコンやWi-Fiを無償で貸与し、オンラインを介した学習支援を行っています。今年の夏休みを前に、キッカケプログラムの利用者147世帯とその他250世帯の合計397世帯を対象に、夏休みのお出かけに関するプログラムを実施しました。調査結果からは、家計が厳しい家庭ほどお出かけの機会が減少していることが浮き彫りになりました。
経済的影響の実体
調査の結果、経済的に困難な家庭では、お出かけの予定が「なし」と答えた人が68.7%に達しており、この数字は一般家庭の56.4%に対して約12ポイントも高いことが確認されました。また、物価上昇によってお出かけの機会が減ったと感じている家庭は約65%に及び、その他家庭の23.6%と大きな乖離が生じています。この数値は、経済的に困難な家庭が物価上昇の影響をより強く受けていることを示しています。
不安の声
さらに、経済的困難に直面している家庭のうち約80%が、夏休みに関する子どもへの不安を抱えていると答えています。具体的な意見としては、食費や光熱費の増加に対する懸念、貯蓄がない中での周囲との体験の不均衡に対する焦燥感が挙げられています。実際、ある親からは「お金がないので旅行に行けないが、家にいても出費が増えて困っている」という声が寄せられました。親が抱える不安は、子どもたちにも伝わってしまうのです。
添加されたコミュニティイベント
このような背景を受けて、カタリバは地方在住の経済的に困難な家庭向けに特別なイベントを8月に実施する予定です。イベントは、様々なバックグラウンドを持つ大人との交流を促すプログラムや、民間企業との連携によるプログラミング教室を含み、家庭環境による経験の格差を埋めることを目指しています。会場は東京に設定され、参加者の半数以上は地方から招待される予定です。
まとめ
調査やイベントを通じて明らかになったのは、経済的に困難な家庭が夏休みを楽しむことが厳しい現実です。不安や制約の中でも、未来を切り開こうとする子どもたちのために、カタリバは引き続き支援の手を差し伸べていくことでしょう。物価の高騰圧力に煽られる中、今後どのような支援が必要になるのか、社会全体での取り組みも求められています。