ポーラ化成工業、自然由来の新洗顔料技術で肌に優しい洗浄を実現

ポーラ化成工業が開発した新しい洗顔料技術

ポーラ・オルビスグループの一員であるポーラ化成工業株式会社は、肌に優しい新しい洗顔料の開発に成功しました。その特徴は、高分子多糖体を用いた洗顔料における高速分散処理技術です。神奈川県横浜市にある同社のテクニカルディベロップメントセンター（以下、TDC）では、2024年からこの新技術が導入されます。

高速分散処理による繊維ネットワークの微細化

ポーラ化成工業が注目したのは、天然の高分子多糖体から得られる成分です。具体的には、日本の熊本阿蘇地域に生息する淡水性ラン藻である水前寺海苔から抽出される「サクランⓇ」という高分子多糖体。この成分は非常に巨大な分子量を持ち、保湿能力に優れています。

このサクランを高速で液中に分散させることによって、微細で緻密な繊維ネットワーク構造が形成されることがわかりました。まるでミクロのスポンジのように機能し、余分な皮脂や汚れを絡め取ることができます。

洗浄力と肌へのやさしさの両立

一般的に、洗顔料の洗浄力を高めるためには、石鹸成分や界面活性剤を多く含むことが求められます。しかし、このような成分は肌に刺激を与え、乾燥感を引き起こす可能性があります。そのため、多くの消費者は、洗浄力の向上と同時に、肌に優しい製品を求めています。

ポーラ化成工業の新しい洗顔料は、これらのニーズに応えるものです。スイゼンジノリ多糖体が形成する繊維状のネットワークは、天然ミクロスポンジとして働き、洗浄成分に頼らずに汚れをやさしく取ることができます。実際に行われた官能評価では、この洗顔料の使用感に高い満足度が寄せられました。

TDCで進化する化粧品製造

ポーラ化成工業のテクニカルディベロップメントセンター（TDC）は、化粧品の製造や開発に特化した施設です。ここでは、革新を生むための高度な生産技術が追求され、既存の製品だけでなく、物理的な力を活用した新しい製造方法にも挑戦しています。

TDCでは、厳格な品質管理が求められつつも、自由な技術導入が行われています。このような環境の中で、ポーラ化成工業は「妙なる価値の創造」という企業理念のもと、高品質な製品の開発を続けています。

今後も、ポーラ化成工業は実感の伴う製品を生み出し、お客様の期待に応えていく方針です。この新洗顔料技術は、その第一歩となることでしょう。消費者にとって、優れた洗浄力と肌の優しさを両立した製品が手に入ることは、大きな喜びとなります。