アジア市場の訪日旅行者が求める新しい体験とは?
2024年10月、株式会社博報堂DYホールディングスとトリリオン・コネクト・ジャパン(TCJ社)は、訪日旅行のニーズを深く理解するための戦略的パートナーシップを結びました。その一環として、アジア地域を重視した「アジア訪日生活者調査」を実施し、近年の訪日旅行者の動向を探りました。この調査は、特に近隣の東アジア4市場(韓国・中国・台湾・香港)に焦点を当てています。
旅前・旅中の情報収集行動
調査結果によると、中国の旅行者は「ローカル口コミ・コミュニティサービス」から情報を得る割合が75%に達しており、旅ナカでも69%が同じ情報源を利用しています。韓国では「ローカル検索ポータル」が旅マエでの55%、旅ナカでの44%の情報源として高い支持を得ており、旅行者は事前に得た情報を基に行動する傾向が強いことが示されています。一方、台湾では家族や友人からのリアルな口コミを重視しつつ、地図アプリや検索サービスへのシフトが見られます。これにより、現地での情報確認を行いながら柔軟に行動する「臨機応変型」の旅行スタイルが際立っています。
訪日旅行での不満要因
次に、旅行者が旅中に感じた不満について調査した結果、「ごみ箱が少なく、ごみの処分に困った」との声が22%を占め、最も多く寄せられていました。地域別に見ると、中部・関東で宿泊費の高騰に対する不満が各16%、関東・関西では観光地の混雑が15%と17%と高い割合を示しています。一方、沖縄や中四国地域では「不満はない」との回答が多く、訪問エリアによって感じる不満や満足度には大きな違いがあることが浮かび上がりました。
今後の旅行に対する意識とニーズ
調査では旅行者が今後訪日旅行で重要視する価値観が明らかとなりました。全体では「簡便欲(72%)」「安全欲(67%)」「容認欲(71%)」が上位を占めており、新しい体験を求めるよりも、安心感や効率性を重視する傾向が顕著です。地域ごとに見ると、台湾では「娯楽欲(82%)」や「発見欲(75%)」が高く、新しい体験への期待が特に強いことがわかります。中国では「達成欲(70%)」や「競争欲(50%)」が見られ、自分の目標達成に意識が向いているようです。これらのデータは、訪日旅行のニーズが一様でなく、文化や地域によって異なることを示しています。
日本旅行で重視する目的
旅行者の目的を掘り下げると、依然として「日本食(40%)」や「買い物(34%)」といった定番ニーズが強い一方、韓国では「祭り・イベントへの参加(23%)」や中国では「ポップカルチャー・エンタメの満喫(26%)」への関心が高いことが目立ちます。これは、観光地巡りを超えて、現地ならではの体験を望む声が強いことを表しています。
まとめと今後の見通し
MTCは、今後も海外マーケティングの研究と生活者データを活用し、TCJ社との協力により、変化するインバウンド市場の実態を把握し、効果的なマーケティングソリューションを開発していく予定です。今後の訪日旅行が、各国の旅行者にとって、より充実した体験となることが期待されます。