Jリーグで新たに導入されたユニフォーム配色ツールとは
2023年、東洋インキ株式会社が提供するユニフォームの配色選択ツール「Lioatlas® UFP(リオアトラス ユーエフピー)」が、公益社団法人日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)において試験的に採用されました。このツールは、2026年シーズンから導入される予定で、対戦カードに応じて識別しやすい色のユニフォームを選ぶことが可能になります。
課題と背景
近年、サッカーの試合において「ユニフォームの色がわかりにくい」とする不満の声が多く寄せられました。特に、2021年のイングランド・プレミアリーグの試合では、色弱者にとって区別がつきにくいユニフォームの組み合わせが問題視されました。深緑と赤のユニフォームが色弱者には同じ色に見えるという事例もあり、これはプレイヤーや審判にとっての識別にも影響を及ぼしています。
このような問題を受けて、Jリーグでもユニフォームの色選びが重要な課題とされています。人々が瞬時にユニフォームを識別できる環境を整えることは、観客のみならず選手や審判が試合をスムーズに進行させるためにも欠かせません。
Lioatlas® UFPの特徴
「Lioatlas® UFP」は、Jリーグの全60クラブのユニフォームデータをもとに、対戦カード毎に最適なユニフォームの色を提案します。このツールを使用することで、各チームの識別がしやすくなり、視覚的な楽しみが向上します。
さらに、ユニフォームの新デザインを行う際にも、誰にでも認識しやすい色を提案するデザインモードが搭載されているため、ユニフォーム制作の効率と質が向上することが期待されています。これにより、誰もがスポーツを気軽に楽しめる環境が提供されることを目指しています。
色覚の違いとその影響
人間の視覚には、対象物を識別するための様々な要素が存在します。視細胞には光を感じる桿体と色を感じる錐体があり、特に色を識別する錐体には赤、緑、青の3種類が存在します。日本国内では男性の約5%、女性の約0.2%が色覚に異常があるため、おそらく多くの人が色の見え方に差異を感じています。
識別のしづらさは単に色取りの問題だけでなく、コントラストの不足が一因となる場合もあります。明るさの違いが少ない場合、視認性が低下し、どんなに鮮やかな色を用いても、正確に識別することが困難になります。
東洋インキのカラーマネジメントへの思い
東洋インキは、人々が色に対して持つ印象を大切にし、より良い視覚体験を提供することを目指しています。Lioatlas®は、「誰にでも優しい色彩」を提供するカラーマネジメントコンセプトとして、デザインから印刷に至るまでの一貫性が求められます。これにより、情報が正確に伝達され、更には色彩の豊かさを感じることができる社会の実現に寄与することを目標としています。
まとめ
Jリーグにおける「Lioatlas® UFP」の導入は、ただの色選びのツールに留まらず、すべての人々がサッカーを楽しむための大切な一歩です。このイノベーションが選手や観客の、スポーツ観戦の体験をより良いものにすることを期待してやみません。