伝統工芸士が手掛けた唯一無二の化粧筆
昨今、美容業界において化粧筆の重要性が高まっていることは否定できません。特に日本では、その技術が代々受け継がれ、品質の高さが世界的にも評価されています。そんな中、伝統工芸士の技を駆使して生まれたのが、文進堂畑製筆所が手掛ける化粧筆です。
きっかけとなったフランス訪問
このプロジェクトは、2020年1月に遡ります。文進堂畑製筆所が所属する畑友里さんが、日本貿易機構の研修でフランスを訪れた際に、過去に制作した化粧筆をメイクアップアーティストに披露しました。すると、「これは素晴らしい」、「どこで買えるのか」といった予想を超える評価を受け、化粧筆の製作再開を心に決めました。
原料不足という課題
しかし、再制作の意欲と共に立ちはだかったのが原料費の高騰です。近年、ワシントン条約による原材料の輸入禁止が影響し、原毛不足に悩まされるようになりました。このような状況下、優れた原毛を用いて職人が手掛ける製品は高価格にしかならず、ターゲットにするユーザーが手が届かないものになってしまっていました。
JAPANブランド育成支援事業の活用
そんな時、畑友里さんは中小企業庁の支援事業「JAPANブランド育成支援事業」を知り、この機会を利用して化粧筆の事業計画を提出しました。そして見事に採択を受け、原毛の調達問題が解消。この成功を得て、いよいよ製作へと取り掛かる準備が整いました。
新技術「先ズラシ」の採用
今回の新しい化粧筆は、川尻筆の技法「先ズラシ」を採用しています。この技法により、フラットな形状でも美しいグラデーションを施すことが可能で、直線的な濃淡も出せるという新感覚の穂先が実現されました。
業界人の称賛
ZACCの代表、高橋和義氏は「これほど品質の高い毛を用いた化粧筆に出会ったことがなかった」と語り、使用者であるプロの間でも評価されています。ラシェンテ神戸居留地の奥本圭哉氏も、「チークやファンデーションの吸着が非常に良く、ぼかしたり色の濃淡を出しやすい」と、一般ユーザーにも強く推奨しています。
多彩なカラーバリエーション
この化粧筆は、白:淡雪、赤:ルージュ、黒:暁の3色展開で販売される予定です。価格は1本50,000円(税抜)で、手作りの軸や特注の桐箱、水引でのラッピングが施され、全てに職人の暖かさが詰まった逸品となっています。
クラウドファンディングでの先行販売
現在、この化粧筆はクラウドファンディングサイト「Makuake」にて数量限定で先行販売が進行中です。今後は文進堂畑製筆所のECサイトを通じても販売予定で、海外への展開も視野に入れています。詳細な情報は
Makuakeサイトをご確認ください。
文進堂畑製筆所の歴史
最後に、文進堂畑製筆所は1930年の創業以来、伝統の技を受け継ぎ続けてきました。その筆作りの工程は70を超え、職人になるには10年以上の修練が必要とされています。その技術は国内外の藝術家からも高く評価され、まさに真の職人技が光る商品が誕生しています。美しいグラデーションが可能な新しい化粧筆が、これからどのようにインフルエンスを与えていくかが楽しみでなりません。