「2030デジタル・ライブラリー」推進に向けた検討会 第4回議事録: 大学図書館の未来像と人材育成が焦点に
「2030デジタル・ライブラリー」推進に向けた検討会 第4回議事録: 大学図書館の未来像と人材育成が焦点に
文部科学省は、2030年を見据えた「デジタル・ライブラリー」実現に向けた検討会を令和6年2月7日に開催しました。第4回となる今回は、オンライン会議形式で、委員9名、文部科学省関係者が出席し、活発な議論が交わされました。
今回の検討会では、前回の議論を踏まえて、改めて「新しい『デジタル・ライブラリー』の実現に向けて検討すべき課題」と「『デジタル・ライブラリー』実現に向けたロードマップ」のたたき台が提示されました。
大学図書館の未来像: 生成AIの活用や社会貢献への期待
検討会では、デジタル化・オープン化が進む中で、大学図書館がどのように進化していくべきかという議論が白熱しました。特に、生成AIの活用に関しては、図書館機能の再設計や、図書館員の業務効率化の可能性が注目されました。
一方で、生成AIが図書館員にとって単なるサポートツールにとどまるのか、それとも図書館機能そのものを変革する可能性を秘めているのか、その範囲については意見が分かれました。
さらに、大学図書館は、学術研究の支援だけでなく、社会貢献活動にも積極的に取り組むべきという意見も出されました。具体的には、市民を巻き込んだ科学への対応(シチズンサイエンス)や、社会課題解決に向けた取り組みなどが挙げられました。
人材育成: 国際的なネットワーク構築の重要性
検討会では、デジタル・ライブラリー実現には、高度な知識・スキルを持った人材が不可欠であるという認識で一致しました。特に、研究データ管理、オープンアクセス対応、生成AIの活用など、新しい技術に対応できる人材の育成が求められています。
また、国際的な視点から、デジタル・ライブラリー関連の国際的なネットワークを構築することの重要性が指摘されました。特に、若い世代の人材を育成し、国際的な議論に積極的に参加させることが重要であるとの意見が出されました。
ロードマップ: 具体的な行動計画を策定
2030年を見据えたデジタル・ライブラリー実現に向けたロードマップのたたき台では、2024年度から2025年度にかけて、学術情報流通に関する調査、既存調査の整理、好事例の実装に向けた検討などを実施していくことが提案されました。
具体的な調査内容としては、大学図書館の利用状況やニーズ調査、DX事例調査、研究データ管理に関するスキル調査などが挙げられました。
また、ロードマップの構成や具体的な行動計画については、今後の議論でさらに検討していくことになりました。
今後の展望
今回の検討会では、大学図書館の未来像、人材育成、オープンアクセス、研究データ管理など、デジタル・ライブラリー実現に向けた様々な課題が浮き彫りになりました。
今後の検討会では、これらの課題を具体的にどのように解決していくのか、そして2030年の目標達成に向けてどのようなロードマップを策定していくのか、さらに議論を深めていく予定です。