HOKKAIDO IOWN CAMPUS:地域課題に立ち向かう新たな事業コンセプト
NTTコミュニケーションズ株式会社(NTT Com)は、北海道を起点とした新たなビジネスコンセプト「HOKKAIDO IOWN CAMPUS」を発表しました。このコンセプトは、産業振興や地域課題の解決を目指し、最先端の半導体技術を活用した取り組みです。特に、半導体産業の発展に貢献し、北海道の地方創生を加速させることを狙いとしています。
背景:半導体産業の現状とIOWN
生成AIの急成長や産業のデジタル化が進む中、半導体の需要が増加していますが、同時に世界的な半導体不足も顕在化しています。各国が自国での半導体製造を強化する中、日本では特に新千歳市において、最先端の半導体製造拠点の整備が進められています。これに伴い、NTTグループが進めるIOWN(Infrastructure of Optical and Wireless Networks)構想の要として、光電融合技術が大きな役割を果たすと期待されています。この技術は、デジタル化が進む社会での消費電力を大幅に抑制することが可能です。
HOKKAIDO IOWN CAMPUSの概要
「HOKKAIDO IOWN CAMPUS」は、ICTの観点から産業振興と地域課題の解決を発展させ、日本の半導体産業を持続的に成長させるための仕組みを設計しています。主に以下の三つのクラスタを構成:
1.
半導体産業クラスタ
高度な半導体の設計、開発、製造を支える新しいエコシステムを築き、最先端の半導体技術研究を進めます。IOWN技術を利用することにより、データ流通を大容量かつセキュアに実現し、消費電力削減を図ります。
2.
IOWN産業クラスタ
IOWN技術に基づくユースケースの創出を狙い、関連企業やスタートアップ、学術機関が連携。自動運転バスの導入や除雪作業の効率化、CO2の可視化等、次世代の街づくりを目指します。
3.
学術機関クラスタ
高度なICT人材の育成を目的として、企業や大学との連携を強化し、DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する講義を提供します。
今後の展開
HOKKAIDO IOWN CAMPUSは、2024年の夏に千歳市に拠点を設け、上記クラスタの活動を推進します。また、半導体産業を起点に、IOWNを利用した社会課題の解決に寄与する計画です。そして、2024年8月22日には、次世代半導体プロジェクトの説明会を開催し、半導体産業におけるデジタル技術の活用について講演が行われます。
この「HOKKAIDO IOWN CAMPUS」は、ただのビジネスモデルではありません。地域の課題解決と産業振興、技術革新の融合を図り、持続可能な未来を築くための挑戦です。北海道から日本全国へ、さらには世界へと広がる可能性を秘めており、注目が集まる存在となることでしょう。