「カンタイパネル」とは?
大和ハウス工業、フジタ、芳賀沼製作の三社が手を組み、間伐材を利用した外壁「カンタイパネル」を開発しました。独自の技術によって、木材を使った外壁が60分の耐火認定を取得。これは木質外壁として日本初となる画期的な成果です。
環境への配慮と木材利用の推進
2050年に向けてカーボンニュートラル社会の実現が求められるなか、この「カンタイパネル」は環境意識の高まりとともに注目されています。木材利用が推進される際に、都市部でも安全に使用できる外壁が必要とされていた背景がある中、耐火性能の高いカーテンウォール形式を採用することで、都市の美観維持にも貢献できるのです。
60分耐火認定の技術的背景
「カンタイパネル」は、火災時の延焼リスクを考慮し、強化石こうボードで木材部分を保護する構造が施されています。さらに、この強化石こうボードをL字形の鉄板で覆うことで、外部からの炎が侵入するのを防ぎます。いわゆる「耐火目地材」と「耐火ガスケット」の使用により、万が一の火災時にも内部での燃焼を抑制します。
多様なデザインと施工の自由度
カーテンウォール形式を採用することで、デザインの自由度が大幅に向上しています。これは、建物の荷重を負担しない特性を持っているため、外装を柔軟にデザインできる利点があります。また、工場で前もって製造した部材を現場に運び込み、短期間での施工が可能になるため、建設現場の効率がぐっと向上します。
樹種を問わず使用可能
間伐材の利用拡大に向け、「カンタイパネル」はタテログ工法を取り入れています。この工法により、樹種による強度の不安定さを解消し、スギなどの代表的な弱い材質を安全に使用することができます。これにより、間伐材がより多く建築資材として利用される環境が実現します。
「カンタイパネル」の概要
- - 開発日:2025年3月28日
- - 利用対象:ホテル、物流施設、住居
- - 重量:135kg/㎡
- - 性能:60分耐火
- - 構成部材:間伐材、強化石こうボード、L字形鉄板、耐火目地材、耐火ガスケットなど
このように、「カンタイパネル」は新たな時代の外壁として、ユーザーのニーズに応えつつ、環境に対しても配慮した商品となっています。今後、フジタ技術センターでの検証を経て、実験の成果を市場に届けることを目指していることから、さらなる活躍が期待されます。