沖縄のHaricheが生成AIを活用した教育プログラムを開始
沖縄県読谷村に本社を置く合同会社Haricheは、2025年5月に生成AIを利用した新たな教育プログラムのプロトタイプを実施しました。この取り組みは、沖縄県の「経営革新計画」の一環として承認を受けており、地方の重大な課題である少子高齢化や人材不足の解消に向けた重要な一歩と言えます。
背景と目的
近年、沖縄を含めた地方の観光業やサービス業は、少子高齢化や人材不足、物価の高騰などによって厳しい状況に直面しています。特に観光業は、その持続可能性が脅かされているため、地域経済の活性化には人材の育成が不可欠です。Haricheでは、生成AI技術を活用し、業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進する教育プログラムを導入しました。
同社は、「生成AIは専門職だけのもの」という先入観を打破し、誰もが業務に取り入れることができるスキルの普及に取り組んでいます。この新しい教育プログラムでは、IPAが定める「デジタルスキル標準」に基づき、実務に役立つAI活用力を身につけることができます。
研修の内容と進行方法
この取り組みでは、初心者でも安心して参加できるよう、わかりやすさを重視したカリキュラムが設計されています。研修内容は以下のような構成です。
1.
基礎理解:DXの基礎、生成AIの仕組み、業務への応用方法を学びます。
2.
実践演習:ChatGPTやGeminiなどを使用し、実際の業務に即したワークショップを行います。
3.
業務応用:観光業や接客業を対象にしたマニュアル作成や商品企画の演習を通じて、実践的なスキルを習得します。
使用するツールには、ChatGPTやGeminiのほか、Perplexity、napkinAI、NotebookLM、Gensparkなど多岐にわたるAIツールが含まれています。これにより、参加者は多様な生成AIツールに触れ、業務にどう活用できるかを実践的に学ぶことができます。
地域とのつながりと今後の展望
今後、Haricheでは地域企業と連携しながら、持続可能な地域社会を目指した新たな人材育成モデルを構築する予定です。企業においては、スタッフのスキル向上や業務の効率化を支援し、自立して活躍できる人材を育てていく方針です。また、地域の学校との協力により、次世代の若者たちへ職業教育やインターンシップの機会を提供し、地域未来を支える人材育成に努めます。
代表の吉田豊氏は、生成AIを社会人基礎力の一部と見なし、全ての人がこのスキルを身につけるべきであると強調しています。生成AIを特別な技術ではなく、日常業務に自然に取り入れるべきものであると位置づけており、この理念が地域に浸透するよう努めています。
Haricheについて
合同会社Haricheは、「朝起きてワクワクする社会を作る」、「好きが循環する社会を作る」という理念を持ち、沖縄でホテルやカフェの運営、DXコンサルティングを展開しています。現在は、ミチ旅ホテル読谷とTwo Dots Cafeを運営し、地元の魅力を引き出す取り組みを行っています。また、2025年には創業5周年を迎え、地域社会の発展と世界への挑戦をさらに加速させる意向を示しています。
Haricheは、沖縄の地域社会に根ざした人材育成と新たな価値を提供し続ける企業として、今後の展開が楽しみです。