学生たちが直面する「103万円の壁」とは?
近年、多くの学生がアルバイトをしながら生活を支えていますが、その背景には「103万円の壁」と呼ばれる税制上の課題があります。これは、アルバイト収入が年間103万円を超えると、特定扶養控除が適用されず、扶養している親の所得税が増加する仕組みです。この壁は、特に学生にとって深刻な問題であり、働く時間を制限する要因になっています。
株式会社キュービックが運営する転職支援サービス『ミライトーチ』では、全国の学生1,000人を対象にアンケート調査を実施し、彼らがこの壁をどのように感じているのかを探りました。
調査結果の概要
調査対象と期間
- - 調査対象:アルバイト経験のある学生(大学生、短大生、大学院生、専門学校生)1,000人
- - 調査地域:全国
- - 調査期間:2025年1月6日~14日
働き控えの現状
調査によると、38%の学生が「103万円の壁」を意識し、その結果として労働時間を控えた経験があると回答しました。さらに、これにより51%の学生が生活費に困った経験があることが分かり、実際に彼らの生活に影響を与えていることが明らかになりました。
このように、多くの学生が「103万円の壁」により収入を制限され、結果的に生活の質が低下していることは深刻な問題です。一方で、調査に参加した親の50%が、「103万円の壁」を超えて働くことに反対の立場を取っているという結果もありました。これは、親が経済的負担を避けたいという理由から来ているものと考えられます。
学生の実際の収入状況
調査に参加した学生の89%が、年間収入103万円未満であるとのことです。具体的には、51%が60万円未満、26%が60万から96万円未満、12%が96万から103万円未満という結果となりました。この年収を月収に換算すると、ほぼ8万6千円未満となり、自宅で生活する学生の平均支出(月約13万3千円)や下宿の場合(月約17万9千円)には遠く及ばないことがわかります。
収入の使い道
給料の主な使用目的は、1位が「娯楽費」、2位が「生活費」、3位が「交際費」となっており、学生らしい使い方が伺えます。また、意外にも「被服費」よりも「預貯金」の割合が高く、将来に対する不安や堅実さが感じられる結果です。
「103万円の壁」の引き上げに対する意見
調査において、69%の学生が「103万円の壁」の引き上げに賛成しています。これは、生活や将来の貯蓄を考えると、より多く働きたいと考える学生が多いからです。実際、「103万円の壁」が引き上げられた場合、73%が労働時間を増やす意向を示しています。
懸念される学業への影響
一方で、労働時間を増やすことが学業に影響を及ぼすのではないかという懸念も存在します。多くの学生が「働きたくても学業に影響が出るのでは」と話しており、ただ単に収入を増やすことだけが解決策ではないことを示唆しています。
まとめ
「103万円の壁」は学生の生活に深刻な影響を与えており、多くの学生がそれを意識して働き控えていることが調査で明らかになりました。しかし、「103万円の壁」の引き上げに対する賛成意見が多いことからも分かるように、変化を望む声が高まっています。今後、この問題が解決されることで、学生たちがより充実した生活を送ることができることに期待します。
ミライトーチのサービス
『ミライトーチ』では、学生を含む求職者が新たなキャリアを築くための情報を提供しています。例えば、履歴書の作成やキャリアコンサルタントとの相談ができるサービスを展開しています。
このような支援を通じて、学生が安心して働き、生活の質を向上させることができる未来が訪れることを願っています。