堀口珈琲狛江店、日本空間デザイン賞を受賞
東京都狛江市に位置する「堀口珈琲狛江店」が、日本空間デザイン賞2024において「サステナブル空間賞」を受賞しました。この賞は、空間デザインの価値を高め、持続可能な社会の実現に寄与するプロジェクトに授与されるもので、堀口珈琲の革新的な取り組みが評価されました。
受賞の背景
「堀口珈琲」は、スペシャルティコーヒー専門店として知られ、最高品質のコーヒーを提供しています。特に狛江店では、廃棄物を新しい資源として利用する実験的なアプローチを取っています。今回の受賞理由は、廃棄されるコーヒー豆を内装に再利用したことと、規格外のコーヒー豆を新たな素材に変えたことです。
廃棄コーヒー豆の再利用
堀口珈琲では、日常的に発生するコーヒー抽出かすを約20kg分乾燥・加工し、カウンターの塗材に混ぜ込みました。これにより、店内のデザインだけでなく、環境への配慮も感じられる空間を実現しています。
規格外豆から生まれたコーヒータイル
さらに注目すべきは、東大発ベンチャー企業fabula株式会社とのコラボで生まれた「コーヒータイル」です。このタイルは、廃棄される可能性のあった規格外コーヒー豆を使用し、熱圧縮成型の技術により、色や香りを保ちながら新しい素材として再生されました。このタイルはトイレのサインボードなどに使われており、ほのかにコーヒーの香りが漂う独特の空間を作り出しています。
建築家のビジョン
このデザインを手がけた高塚章夫氏は、カウンター塗材が時間と共に変化していくことで、お客様とのコミュニケーションを促す体験を生み出すことを目指しました。経年変化により、コーヒー豆が露出し、独自の風合いが引き出されていく様子は、来店するたびに新しい発見があります。
狛江店の新コンセプト
狛江店は1999年に開店し、2023年に全面改装を行いました。改装後は「Coffee Civic Center」として、コーヒーを楽しむだけでなく、地域の人々が集う場の提供を目指しています。店内には20種類以上のコーヒー豆が並び、一杯ずつ丁寧に淹れられたコーヒーが提供されます。さらに、人気のベーカリー「aosan comaé」とのコラボレーションにより、特製のパンも楽しむことができます。
まとめ
堀口珈琲狛江店の取り組みは、単に美味しいコーヒーを提供するだけでなく、環境への配慮とコミュニティとのつながりを重視した持続可能な空間づくりを目指しています。今後もこのような革新が、他の店舗や業界にも広がることを期待したいです。ぜひ、実際に訪れてその魅力を体験してみてください。