LOEWE FOUNDATION Craft Prize 2026の受賞者発表
最近、ロエベから2026年のLOEWE FOUNDATION Craft Prize大賞の受賞者が発表されました。その栄誉に輝いたのは、韓国出身の陶芸家、ジョンジン・パク氏です。彼の作品《Strata of Illusion》(2025年作)は、審査員による厳正な選考の結果、30名のファイナリストの中から選ばれました。
選考過程と評価
今回のコンペティションでは、フリーダ・エスコベド、パトリシア・ウルキオラ、エーブラハム・トーマス、オリヴィエ・ガベなど、各界の著名な専門家が審査員を務め、日本のロエベ クリエイティブ ディレクター、ジャック・マッコローとラザロ・ヘルナンデスもその名を連ねました。大賞受賞者には50,000ユーロが授与され、特別賞には5,000ユーロが贈られました。
ジョンジン・パクの作品は、「制御」と「崩壊」との間の緊張関係を探求しており、色付きの磁土を塗布した数千枚の紙を積層し形成されています。焼成プロセスにおいて、紙は燃え尽き、熱と重力によって独特の構造へと変化していきます。この作品は、陶芸の概念を再考し、意外性と必然性を備えた彫刻的な存在感を持つと評価されています。
審査員からの視点
審査員たちは、技術的な達成度と技巧、革新性、そして芸術ビジョンの観点から、ジョンジン・パクの作品を高く評価しました。彼のアプローチは、陶芸に対する既成概念を覆すものであり、複数のクラフトの伝統との関連性を示していると称賛されています。
作品の中には、吹きガラスのような空気によるフォルム形成や、紙の積層による製本技術のヒントが含まれており、単一の素材に限定れない多様性を示しています。また、作品が持つ「制作の誠実さ」、すなわちプロセスや材料の特性を尊重した表現が、LOEWE FOUNDATION Craft Prizeのテーマに通じるものであると言えるでしょう。
特別賞の受賞者たち
審査委員はさらに、2名に特別賞を授与しました。ひとつは、ババ・ツリー・マスター・ウィーバーズという団体が制作した《Frafra Tapestry》(2024年作)で、もう一つは、グラツィアーノ・ビジンティンの《Collier》(2025年作)です。これらの作品もまた、伝統的な技法と現代的な解釈を融合する試みにより、特別な評価を得ています。
作品展について
ファイナリストたちの作品は、2026年5月13日から6月14日まで、ナショナル・ギャラリー・シンガポールで展示されます。作品のオンライン展示も行われ、展覧会カタログの刊行も予定されています。
最後に
LOEWE FOUNDATION Craft Prizeは、現代クラフトへの重要な貢献を評価する国際的なコンペであり、職人たちがそれぞれの特技を生かした作品を創設しています。今回のコンペでは、133の国と地域から5,100点以上の作品が寄せられ、選考過程は非常に厳しいものでした。特に、今年のファイナリストたちの作品は、クラフトの帰属意識と未来の可能性を探求する重要な機会となりました。
最後に、シーラ・ロエベ氏は「クラフトにおける発見と創造力を間近で見られることは光栄です」というコメントを残しています。この賞によって、職人たちの創造性と情熱がさらなる広がりを見せることでしょう。