シリアの母国語支援
2025-07-16 10:41:34

シリアの未来を切り拓く:言葉を取り戻す教育プロジェクトの挑戦

シリアの子どもたちへ教育を届ける挑戦



「母国に戻ったのに、母国語を知らない。」これは、長年の戦争により故郷を追われ、現在やっと帰還を果たしたシリアの子どもたちが抱える現実です。特定非営利活動法人Piece of Syria(大阪市)は、そんな彼らに未来を切り拓くための教育を提供する国際協力NGOです。

新たな補習校の設立



2023年9月、新学期が始まるのに合わせて、Piece of Syriaはアラビア語を中心とした補習校をアレッポ市内に設立することを発表しました。ここでは、避難先から帰った300名の子どもたちが、週5日、3時間のアラビア語授業と心のケアを受けます。このプロジェクトは、子どもたちが学校に戻れる準備を整えるため、教育の重要性を再確認するものです。

継続的な支援の必要性



しかし、補習校の運営には多大な費用がかかります。1人あたり月約3,000円が必要で、この金額は教育の質や先生たちの安定した雇用に直結します。現在、シリアでは物価の高騰やインフラ不足から、教育を支えることが非常に困難な状況が続いています。そこで、Piece of Syriaは「パートナー会員」制度を設け、月額1,000円からの寄付を募るキャンペーンを開始しました。

戦争がもたらした影響



2011年に始まったシリア危機から14年が経過しました。戦争以前には無料で質の高い教育が受けられたシリアですが、現在は就学率が6%にまで落ち込む地域も存在しています。2024年の政権崩壊後は帰還の動きが見られますが、今なお残された課題は多く、国の70%に当たる1,670万人が人道支援を必要としているのです。

学校が破壊された影響で、約2万校のうち40%が損壊しています。教育の場を失った2人に1人の子どもが登校できない状況の中、Piece of Syriaは新たな教育の場を提供することで、少しでも未来を明るくしようと奮闘しています。

言語の壁を越える



国外で育ったシリアの子どもたちは、多くが避難先の国の言語を第一言語として使用しており、アラビア語の読み書きができない状況です。今後、UNHCRによれば2025年までに100万人が帰還する見込みですが、母国語での学びがないことから、学校に戻るのが難しいとされています。

新政権では学校の修復が進んでいる中、Piece of Syriaは、回帰した子どもたちが円滑に学校生活に戻れる体験を提供する支援が求められています。

子どもたちの声



補習校での学びから得た成果も多く、子どもたちからは感謝の声が寄せられています。「前は文字も書けなかったけれど、今は教科書も読めるし、先生の話も分かるようになった。」とアミールくん(8歳)は語ります。また、ガザール(12歳)は、「アラビア語は家族や祖国とつながる大切なもの。勉強が好きになり、将来の夢もできました。」と語り、学びの重要性を訴えました。

Piece of Syriaの理念



Piece of Syriaは2016年に設立され、教育の必要性が継続的に増す中で活動を拡大してきました。単に支援活動を行うだけでなく、平和について考える機会を提供し、「未来の平和をつくる新しい世代」の育成を目指しています。その活動は評価され、代表は「世界が尊敬する日本人100」に選出され、注目されるNPOの一つになっています。

今後もPiece of Syriaは、シリアの子どもたちが自らの言葉を取り戻し、教育を受ける機会を提供し続けることで、彼らの未来を支えたいと考えています。是非、一緒に彼らの未来を切り拓くお手伝いをしていただければと思います。


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会社情報

会社名
特定非営利活動法人 Piece of Syria
住所
大阪府大阪市住吉区清水丘1-15-23
電話番号

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