ロート製薬、新たなレチノール浸透技術を開発
大阪を本拠地とするロート製薬株式会社は、レチノールの優れた効果を保ちながら、皮膚への刺激を軽減する新たな浸透技術を開発した。これにより、スキンケア製品におけるレチノールの質が一段と向上すると期待されている。
研究の背景
最近、スキンケア市場では高効能な成分に注目が集まっており、特にレチノールはエイジングケアや肌質改善に効果的な成分として人気を博している。しかし、レチノールには「A反応」と呼ばれる副作用があり、肌の赤みや乾燥を引き起こす可能性があるため、その使用には注意が必要だ。これまで、配合量を調整する手法が用いられてきたが、有効性が損なわれる恐れもあった。そこでロート製薬は、浸透速度を制御する新しい技術の開発に着手した。
研究成果の概要
研究では、特定の成分を配合することで、レチノールの浸透速度をコントロールし、安全性と有効性を両立させることが可能であると確認された。具体的には、三次元人工培養皮膚を用いた試験及び実際のヒトを対象とした臨床試験によって、浸透速度の緩和が実証され、臨床試験においても効果と安全性が確認された。
ヒト試験の結果
レチノール浸透制御技術を組み込んだクリームを連続使用した試験では、目周りのシワへの明確な改善が見られた。また、皮膚科医による評価でも深刻な副作用はなく、安全に使用できることが立証された。この成果により、消費者に信頼される製品の提供が期待される。
今後の展望
今後、ロート製薬はこの技術を活用し、さらなるレチノール製品の開発を進めていく見込みである。これにより、より多くの消費者が安心して使用でき、効果を実感できるスキンケア製品の普及が進むことが期待される。また、この技術はレチノールに限らず、他の成分への応用も視野に入れた研究が進められる予定です。
用語解説
- - レチノール: 脂溶性のビタミンAの一種で、肌の健康に欠かせない成分。
- - A反応: レチノールの使用によって生じる皮膚の赤みや乾燥などの反応。
- - IOB: 成分の無機性値と有機性値の比から求められる値で、成分の性質を示す指標。
ロート製薬の新しいレチノール技術が、今後のスキンケア市場にどのような影響を与えるのか、注目が集まります。