Akamaiとアイレット、進化するマルチクラウド戦略の新たな一歩
最近、Akamaiとアイレットが新たにパートナー契約を結び、企業のマルチクラウド戦略を支援することを発表しました。これにより、アイレットはAkamaiのクラウドコンピューティングサービスを活用し、企業がデジタルトランスフォーメーションを推進するための最適なインフラの構築をサポートします。
パートナーシップの背景
近年、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進化する中で、クラウド利用のあり方も変化しています。企業は、単一のクラウドプロバイダーに依存せず、複数のサービスの利点を生かす「マルチクラウド戦略」へと移行しています。これにより、コスト最適化やパフォーマンスの向上、ベンダーロックインの回避を目指す取り組みが顕著になっています。
Akamaiは従来から提供しているCDN(コンテンツデリバリーネットワーク)に加え、新たに「Akamai Cloud」を通じてネットワークやサイバーセキュリティ、高性能コンピューティングサービスを包括的に提供しています。これにより、企業のインフラ全体を戦略的にサポートし、クラウド環境のコスト削減やパフォーマンス向上に貢献しています。
Akamai Cloudの強み
Akamai Cloudは、世界各国に4,400以上のエッジPoPと25以上のコアリージョンを持つ、非常に大規模化された分散エッジネットワークを利用したクラウドコンピューティングサービスです。このネットワークは、従来の集中型クラウドに比べて、エグレスコスト(データを外に出す際にかかる費用)を大幅に削減することが可能です。これにより、企業は高性能かつ低遅延でのサービス展開が可能となり、競争力を強化します。
協業の内容と展望
今回の提携により、アイレットはAkamaiのプロダクトの中でも特にコンピューティングサービス、CDN、セキュリティWAF(Web Application Firewall)に注力していきます。高性能GPUを用いた柔軟なコンピューティングにより、顧客に対して最適なインフラ提案を行い、特にVODやストリーミングといったビジネスにおけるネットワーク転送量の課題に対処します。
アイレットは、これまでのマルチクラウドアーキテクチャに関する実績を活かし、Akamaiの高性能なコンピューティングとコストメリットを生かしながら、顧客に最適化されたマルチクラウド環境を提供していく方針です。これにより、成長市場において高額なエグレスコストに悩む企業に対しても、コスト削減とインフラ最適化のベストソリューションを提案できます。
企業のコメント
アイレット株式会社の代表取締役社長 岩永充正氏は、「この度、Akamaiとのパートナーシップを結べたことを大変嬉しく思います。この合作により、日本企業が抱えるクラウドのコストやパフォーマンスの問題に真正面から立ち向かうことができると思います。」と述べました。Akamaiの職務執行者社長 日隈寛和氏も、「この提携を通じて、安全で持続可能なデジタルインフラの構築に向けて共に努力していきたい」との意欲を示しています。
未来への展望
今後の展望として、アイレットはマルチクラウド環境を構築することで、日本企業がコストの制約を受けずに本質的なサービスの開発とビジネス加速に注力できる環境を実現していくでしょう。また、Akamaiの「Akamai Inference Cloud」のような革新的なクラウドプラットフォームにより、AIの未来に向けた迅速で安全なインフラ提供も視野に入れています。これにより、デジタル社会の変化に対応した企業のクラウド活用を今後も支援していくことが期待されています。