フィリピン・マニラ河川改修事業の新たな受注
株式会社IHIインフラ建設(IIK)は、東洋建設株式会社およびカナデビア株式会社との共同企業体(JV)として、フィリピン共和国の公共事業道路省からパッシグ・マリキナ川河川改修事業(フェーズⅣ)パッケージ1を受注しました。このプロジェクトは先行して竣工されたフェーズⅡおよびⅢに続く最終フェーズの一部で、3つの主要な目的があります。まず、マニラ首都圏における洪水被害の軽減。次に、この地域の災害脆弱性の克服。そして、生活基盤の安定や地域経済の発展を実現することです。
プロジェクトの詳細
この工事では1.3㎞にわたる河川改修が計画されており、カインタ水門からタイタイ樋門、さらにはマリキナ橋付近までが対象になります。また、マリキナ堰の製作、輸送、据付、試運転が行われるほか、マンガハン放水路における逆流防止水門の製作や据付、試運転も予定されています。この取り組みを通じて、地域の安全性を高め、経済的な成長を促進することが期待されています。
工期は1,800日と設定されており、施工場所はフィリピンのマニラ首都圏に位置するパッシグ市、ケソン市、リサール州のタイタイ町です。IIKは日本政府の開発援助プログラム(ODA)を通じた有償資金の協力を得ており、専門的な技術を活用してこのプロジェクトを進めることになります。
日本の高い技術の活用
本プロジェクトでは、日本の優れた技術が惜しみなく使われます。具体的には、護岸整備のためにハット形鋼矢板が採用され、水門には省合金二相ステンレス鋼が使用される予定です。このステンレス鋼は高強度・高硬度を実現しており、耐久性が求められる水門工事にはぴったりの素材です。
IHIインフラ建設は、国内外において水門の建設に関して豊富な実績を持つ会社です。これからも、国内外での水門建設を通じて、安全で安心、さらに快適な生活環境づくりに貢献していく方針です。地域社会の皆様にとって、生活品質の向上や経済活動の活性化を図る重要な事業となることでしょう。
企業情報
株式会社IHIインフラ建設の本社は東京都江東区豊洲に位置し、森内 昭社長が代表を務めています。主な業務内容には、PC橋梁の新設工事や鋼製・PC橋梁の補修、さらに水門や海洋構造物の新設と補修、ダムや河川設備に関連するシステム技術など多岐にわたります。IIKの事業は、地域社会の防災や水門の管理に関連する技術研修も提供し、持続可能な生活環境の構築に寄与しています。