ブランド価値の理解不足が企業成長を阻む!米調査で衝撃の結果
ブランド価値の理解不足が企業成長を阻む!米調査で衝撃の結果
2008年10月、フロリダ州オーランドで開催されたマーケティング会議で、衝撃的な調査結果が発表されました。全米広告主協会(ANA)とブランドコンサルティングファームInterbrandの共同調査によると、マーケティング担当者の過半数が自社ブランドの価値を正確に理解していないというのです。
調査概要
ANA会員企業のマーケティング責任者118人を対象としたこの調査では、実に55%ものシニアマーケターが、自社ブランド価値を定量的に把握できていないという結果が出ました。さらに、64%が「ブランドは企業の意思決定に影響していない」と回答。ブランドの潜在的な経済的価値を最大限に活用できていない企業が多いことが明らかになりました。
ブランド価値の理解不足がもたらす問題
ブランド価値の理解不足は、様々な問題を引き起こします。調査では、ブランドをサポートする社内インセンティブの不足や、ブランドの財務的ベネフィットを証明する困難さなどが、主要な原因として挙げられています。
具体的には、以下のような問題点が指摘されています。
社内インセンティブの不足: ブランド構築へのモチベーションが低い
財務的ベネフィットの証明困難: ブランド投資の効果を数値化できない
専門知識の不足: 効果的なブランディング戦略に関する知識が不足
評価基準の欠如: ブランド価値を測る適切な指標がない
コミュニケーション重視の予算配分: 費用対効果の低い施策に予算が偏る
経営層の関与不足: ブランド構築へのトップダウンの推進体制がない
経営層のプレッシャーと期待
一方で、回答者の80%は、経営層からブランドの利益への貢献度を具体的に示すよう、強いプレッシャーを感じていると回答しています。このことは、経営層がブランド価値の重要性を認識しつつ、その現状に課題を感じていることを示唆しています。
ブランド価値を理解することで得られるメリット
ブランド価値を定量的に把握できれば、マーケティング投資の効率化や、非効果的な施策の見直しなど、様々な改善につながるとマーケターたちは考えています。具体的なメリットとしては、以下の点が挙げられます。
マーケティング投資の最適化: より効果的なマーケティング施策に集中できる
非効果的施策の見直し: 投資対効果の低い施策を早期に発見・改善できる
全社的な戦略への影響: ブランド価値に基づいた、より整合性のある戦略を策定できる
経営層への説明責任: ブランド投資の必要性を明確に説明できる
メッセージングの改善: ターゲット層に響く効果的なメッセージを伝えられる
従業員の評価向上: ブランド構築への貢献を適切に評価できる
専門家の意見
ANA会長兼CEOのボブ・ライダイス氏と、InterbrandグローバルCEOのジェズ・フランプトン氏は、ブランド構築がビジネス成長の中心的な要因であると強調。ブランド価値の理解を深め、経営層との連携を強化することが重要だと訴えています。
今後の展望
この調査結果は、企業がブランド価値を戦略的に活用していくことの重要性を改めて示しています。ブランド価値の定量的な把握、経営層との緊密な連携、そして社内全体でのブランド理解の醸成こそが、持続的な企業成長への鍵となるでしょう。
ANAとInterbrandについて
ANAは、広告業界をリードする団体であり、マーケティングコミュニケーションの促進と業界の発展に貢献しています。Interbrandは、世界的なブランドコンサルティングファームで、ブランド戦略策定から価値向上まで、幅広いサービスを提供しています。
会社情報
- 会社名
-
株式会社インターブランドジャパン
- 住所
- 東京都港区虎ノ門3-2-2虎ノ門30森ビル 4F
- 電話番号
-
03-6632-5300