三菱電機、DX人財育成を強化する「DXイノベーションアカデミー」設立
三菱電機株式会社は、2025年4月1日にデジタルトランスフォーメーション(DX)に特化した育成機関「DXイノベーションアカデミー」を設立することを発表しました。この取り組みは、DX人財の育成を強化し、企業内におけるスキルを体系的に向上させることを目的としています。
目指すは2030年度までに2万人のDX人財
同社は、独自のデジタル基盤「Serendie(セレンディ)」を誇り、これを利用してお客様からのデータをデジタル空間に集約・分析しています。これにより、企業内での知恵の共有を促進し、新たな価値の創出と社会課題の解決を図る「循環型デジタル・エンジニアリング」を推進しています。効果的な推進には、DXの中核を担う人財の確保が不可欠です。三菱電機は2030年度までにグループ全体で2万人のDX人財を育成することを目指しています。
DXイノベーションアカデミーの概要
「DXイノベーションアカデミー」は、従業員に必要な技術や知識、マインドセットを習得するための学習環境を整えます。学びの場は、社内外の講座を組み合わせて、受講者のスキルや知識レベルに応じた段階的な学習体系を提供します。特に重要なのは、グループ全体の従業員が対象となる「DXリテラシー講座」を用意しており、DXに対する理解を深めると共に、組織全体でDXの推進を図る風土を醸成する計画です。
学習コースには以下の7つのカテゴリーが含まれます:
1.
DXマーケティング: デジタル技術によるマーケティングの革新。
2.
ソリューションクリエイション: デジタルビジネスの企画・推進。
3.
データエンジニアリング: データの分析・管理を担当。
4.
UI/UXデザイン: DXサービスのデザイン設計。
5.
DXアーキテクチャーデザイン: サービス設計におけるDX。
6.
DXエンジニアリング: システム開発・運用を担当。
7.
DXクオリティアシュアランス: 品質・セキュリティの確保。
これにより、既存のDX関連事業に従事している社員だけでなく、他の部門からの職務転換を希望する社員や新規入社した社員にも手厚いサポートが提供され、幅広い技術と知識の習得が可能となります。
レベル認定制度の導入
また、DXに関する知識やスキルを可視化するために、4段階のレベル認定制度も併せて導入されます。この制度により、個人の知識やスキルに応じた適切な人財配置と育成を進め、従業員のモチベーションの向上を図ります。認定は「プラチナ」、「ゴールド」、「シルバー」、「ブロンズ」の4つの段階に分かれ、それぞれのレベルが特定のスキルや知識の証明となります。
産学連携による新たな育成プログラム
従来の研究開発にとどまらず、三菱電機は早稲田大学と新たに連携を結び、DX人財育成に特化したプログラムも推進しています。ここでは、最新技術を集中して学ぶことができ、講演会やインターンシップを通じた相互交流が行われています。
このような多角的な取り組みを通じて、三菱電機はサステナブルで活気ある社会の実現に貢献していく所存です。このアカデミーが、未来の企業を支える人財を育成することを期待されており、DX分野における新たな価値創出を加速させていくでしょう。