ブランド戦略推進の現状と課題
日本の経営コンサルティング業界の先駆者である株式会社タナベコンサルティングが発表した2025年度のブランドに関する調査結果が、企業のブランディング状況に多くの示唆を与えています。この調査は、全国の企業の経営者やマーケティング担当者など、150万人以上に対して実施され、その結果が注目されています。
調査結果の概要
調査の結果、約4割の企業がブランド戦略を策定しているものの、6割以上の企業が明確な戦略がないまま活動を続けていることが明らかになりました。このことは、ブランディング戦略の重要性にもかかわらず、多くの企業が十分な検討や策定を行っていない現実を浮き彫りにしています。
さらに、ブランド戦略を策定している企業のうち、約4割が「進行の遅れ」や「停止」の状況にあると回答しており、実行面での課題が大きいことも示されています。
ブランド現状把握の乏しさ
また、ブランドの現状を把握しているという企業はわずか55.3%にとどまります。およそ半数にあたる企業は、自社ブランドの実態を把握せずに活動を行っている状況です。これにより、効果的な戦略立案が困難となり、ブランド活動の成果が不透明になるといった悪循環を生じています。
インナーブランディングの取り組み
さらにインナーブランディング、すなわち社内向けのブランド戦略についても、進捗状況が懸念されています。インナーブランディングが企業文化の強化や社員の生産性向上に寄与することが認識されているにもかかわらず、具体的な施策を実施していない企業が27.3%に達していることが分かりました。
つまり、企業の内部にはブランドを内包し、活用する可能性がありながらも、実際にはその施策が不足しているという意見も見受けられます。
ブランド責任部署の配置
また、ブランド戦略の管轄部門については、最も多くの企業が「経営企画部門」と関連付けていますが、専任部署を設置している企業はわずか3.7%にすぎません。このことは、ブランドマネジメント体制の不足を示しており、ブランド戦略の推進には専門部署の設置と徹底的な体制強化が求められます。
今後の課題
調査結果から浮かび上がってくるのは、コーポレートブランディングが重要である一方、体制作りに関する優先順位が低くなっている現状です。企業価値を効果的に伝えるためには、一貫したコミュニケーションとしっかりとした戦略が欠かせません。
結論
このように、タナベコンサルティングが実施した調査からは、現在の日本企業のブランディングに関する深刻な課題が明らかになりました。ブランド戦略を効果的に推進するためには、まず自社のブランドを適切に把握し、専門的な人的資源や体制を強化することが必要です。これらの取り組みを通じて、企業としてのブランド価値を高め、持続的な成長へとつなげることが求められています。