アンテナショップ利用者の固定客化と観光情報の拠点化
株式会社ブランド総合研究所が実施した最新の調査結果が発表され、東京都内の全国道県に設置されたアンテナショップの利用実態が詳しく明らかになりました。この調査は「第8回アンテナショップ利用実態調査2025」と称され、約2万人の首都圏在住者からのデータを元にしています。調査の目的は、来店経験やリピート率、さらには商品購入状況だけでなく、観光情報の取得やレストランの利用状況など多くの側面を分析することで、アンテナショップの役割を再評価することです。
訪問者の減少と固定客の増加
調査によると、東京都内にある34のアンテナショップを1年以内に訪れた人の割合は若干の減少が見られたものの、訪問者1人あたりの訪問回数は増加し、リピート率も上昇しています。具体的には、店舗の固定客が着実に増加しているという結果が示されています。このことから、アンテナショップが単なる商品購入の場から、他の情報発信や地域体験の場としての役割も担っていると考えられます。
訪問率は前年比での減少が見られましたが、特にヘビーユーザーの増加が注目されています。直近1年間に訪問経験のある人の中で、月に1回以上訪れる割合が増加し、年間訪問回数は5.31回に達しました。この数字は、前年の4.68回からの上昇を示しています。
若い世代の活発な利用
年代別に見ると、特に20代の利用者が目立ち、彼らの年間訪問回数は9.05回に達しました。この数字は、全世代の中でも最も高く、他の年代と比較しても約4倍も多いことがわかりました。定期的に訪れるユーザーの中には、「週に1回以上」訪れる人も多く、次いで30代が7.42回という結果が続きます。このデータは、アンテナショップが若い世代にとって魅力的な場所であることを示唆しています。
情報の発信地としての機能
アンテナショップを訪れた人々が何を求めているのかという点では、食品購入が主な目的(65.6%)となっている一方で、観光情報や市町村のパンフレットを入手するケースも増えており、その割合は約17%に達しました。
地域情報が提供されることから、アンテナショップは観光情報の収集の場ともなっており、特に外国語のパンフレットが必要とされる外国人観光客にも利用されています。以前は旅行代理店や駅の窓口などであった情報提供が、アンテナショップで代替されている現状は、地域活性化の一環としても注目に値します。
人気の店舗ランキング
来店率の高い店舗は、引き続き北海道の「どさんこプラザ」がトップに立ち、次いで沖縄の「銀座わしたショップ」が続きました。しかし、宮城ふるさとプラザは2024年の閉店が決まっており、今後の運営に注目です。
飲食施設の利用も増加
また、併設飲食施設の利用も前年より増加しており、東北地方の店舗が多くの利用者を惹きつけていることが確認されました。特に北海道の店舗がソフトクリームなどのイートインで人気を博しているようです。
まとめ
この調査はアンテナショップの利用状況を細かく捉え、固定客の増加や観光情報の拠点としての役割を明確に示す結果となりました。今後も各地域の特産品とともに情報提供の場としての機能が求められ、さらなる利用促進が期待されます。