新たな産後サポート体制が始動
全国で展開する24時間対応のベビーシッターサービス「キッズライン」を運営する株式会社キッズラインが、2024年11月から株式会社With Midwifeとの提携を開始します。この提携により、助産師のリスキリングを支援し、産後のケアを強化する新たな取り組みが実現することとなります。
提携の詳細
この提携の具体的な内容は3つのポイントにわかれています。
1.
オンライン講座への参加
「With Midwife」が主催する助産師向けの新たな働き方に関する講座に、キッズラインのスタッフが講師として登壇します。講座では助産師のための訪問産後ケアの可能性について提案し、専門的な知識を共有します。講座は2024年12月4日にオンラインで開催されます。
2.
シッターチャレンジ支援金
リスキリングライセンスを取得した助産師がキッズラインでシッターとしてデビューすると、デビュー後に4万円の支援金が支給される制度が設けられています。この制度は、助産師が新たなキャリアを積む一助になることを目指しています。
3.
新しい学び応援お祝い金
キッズラインに在籍する助産師シッターがWith Midwifeのリスキリングライセンスを取得する際に、お祝い金として2万円が支給されます。これにより、助産師がさらにスキルを向上させることを奨励します。
助産師の労働環境と産後ケアの需要
今回の提携が生まれた背景には、助産師の労働環境や産後の支援が求められる現状があります。日本では約7万人の助産師が存在しますが、実際に臨床で活躍しているのはその半数に過ぎません。多くの助産師は働きたくても、自身の育児や介護などと両立できずにいるのが現状です。また、少子化が進行しているため、出産件数が減少し、助産師の職場が限られています。
一方で、産後サポートの需要は増加しています。特に新生児の世話を必要とする家庭が増える中、助産師のスキルを活かしたシッターサービスは、そのニーズに応えるための一つの方法となります。産後のうつ症状のリスクが高まることが研究からも明らかになっており、専門的なサポートが求められています。
提携の意義と今後の展望
助産師がキッズラインでの勤務を通じて訪問型の産後ケアを行えることで、新たな働き方や収入の機会を提供します。また、この取り組みにより、助産師と子育てをする家庭の両方のニーズに応えることが可能になります。
多くの家庭にとって、専門知識を持った助産師シッターにアクセスできることで、産後の健康や育児に関する不安が軽減されることが期待されます。さらに、助産師シッターが育児の相談を受けることで、母子の健康やメンタルヘルスの向上にも寄与するでしょう。
With Midwife代表 岸畑聖月氏のコメント
With Midwifeの代表、岸畑聖月氏は、「この提携を通じて、親御様の不安を解消し、育児負担を軽減するために貢献していきたい」と述べています。助産師の専門性と新たなシッティング業務が生成するシナジー効果に期待が寄せられています。
結び
少子化が進む中、育児支援サービスの充実が求められています。キッズラインとWith Midwifeの提携は、助産師のスキルを活かした産後ケアの強化を目的としており、全てのママが安心して支援を受けられる環境づくりに向けた重要なステップです。今後の展開にも注目です。