メキシコに合弁会社設立、アテックスが目指す電動化部品の生産拡大
長瀬産業株式会社と株式会社アテックスは、メキシコのグアナファト州レオンに新たな合弁会社を設立する契約を結びました。この合弁会社、ATECS INSERT MOLDING MEXICO S.A. DE C.V.(通称AIM)は、北米市場に向けたxEV車(電動化車両)向けの部品生産を担うことになります。設立は2024年の予定で、2026年以降には本格的な量産体制を整える見込みです。
長瀬産業は、中期経営計画「ACE 2.0」に基づき「基盤」「注力」「育成」「改善」という4つの領域で事業の展開を図っています。この合弁会社の設立は、特に「育成」領域の一環として、新たな事業エリアであるグローバルサウスへの進出を象徴しています。
北米でのxEV車需要の高まり
現在、北米におけるxEV車の需要が急速に高まっています。この背景には、2022年に施行された「インフレ抑制法(IRA)」があり、エネルギー安全保障や気候変動対策に向けた様々な税控除や補助金が導入されています。この法律では、特にクリーンビークル、つまり電気自動車やプラグインハイブリッド車に関する条件が厳格化されており、北米で製造された部品が必要とされています。これにより、xEV車の生産がこれから一層広がっていくと予測されています。
Aテックスの技術力と今後の展望
アテックスは、長瀬産業が提携する企業であり、xEV車のインバーターやバッテリーに使用される精密金属インサート成型部品の設計及び製造において高い技術力を誇ります。両社は以前から中国市場向けの電動化部品の合弁ビジネスも展開しており、この連携を基にメキシコでの生産を開始します。アテックスでは、日本国内で既に開発された金型を用いて試作品を製作し、量産体制へのスムーズな移行を計画しています。
AIMの設立に伴うステップ
具体的には、AIMにおける部品製造では現地調達を行い、高品質を維持すると同時に、安定した部品供給を目指します。これにより、長瀬産業の既存顧客からの現地調達の要望にも応えられるでしょう。また、AIMの経営には、長瀬産業のメキシコ法人であるNagase Enterprise Mexico S.A.de C.V.が携わり、材料調達と製品販売を行います。これにより新しい顧客の開拓も進めていく方針です。
合弁会社の詳細
- - 社名: ATECS INSERT MOLDING MEXICO S.A. DE C.V.
- - 出資比率: 株式会社アテックスが51%、長瀬産業が49%の合弁
- - 本社所在地: メキシコ・グアナファト州・レオン
- - 事業内容: 精密インサート成形部品の設計・製造
長瀬産業とアテックスは、これまでの経験を活かし、メキシコでの事業展開を強化していくことで、徐々に北米市場での存在感を高めていく考えです。需要の増大が期待される中、今後の成長が非常に楽しみです。